2023年05月22日 22:47


レポートが遅くなりましたが、今月14日に大阪府柏原市古墳公園の中にある柏陽庵にてお茶事こと始め 初心の方のためが茶事勉強会を開催させていただきました。
あいにくの雨天でしたが、不思議に道具の搬入と搬出の時だけ雨がやんでくれました。茶室まで外の階段を上がらなくてはならないので、水屋コースの皆さんがおt手伝いくださるので、申し訳ないなあと思っていましたので。私にはやっぱり、お茶の神様がついていてくださる。
不思議なことが、もう一つ。これもお茶の神様の計らいか。
今回は、お茶とSDGsというテーマに取り組みました。真、善、美を探求する茶道は、500年ほど前の成立当初からSDGsの考え方や行が備わっていたと思います。SDGsが世界で実現するには、茶人の生き方や考え方が、役に立つことと思います。
このテーマに相応しい掛け軸を探していたところ、開催の3日前に、突如、私の前に現れました。
「杓底一漸水」 道元禅師のお言葉です。
杓の底に残った少しの水も谷川に流せば、たくさんの人がその水を汲むことができる。
小さなことも大事に大事にしてゆきましょうということでしょうか。SDJsを推進するための考え方や行動規範が、ここにあります。、
まさに、この茶事にぴったりの言葉です。
蹲を使うときに、いつも皆さんにお伝えしていることが、一杓の水で、両手、口元、柄杓の柄洗い流すをこと。水も限られた資源だからと、茶事の手ほどきを受けた師から教えられたことです。その師匠は、稽古が終わり釜を揚げる時に、の窯に残ったお湯を魔法瓶にとっておられました。炭で煮えのついた釜の湯は美味しいからだと思っていましたが、今頃、この行いも杓底一漸水につうじるのだと、思い至った次第です。
SDJs 人間がこの地球に暮らし続けてゆくための、2030年までに世界中で達成すべき目標。サスティナブル デベロップメント ゴールズ
LOHASは、自然環境の保持に配慮した暮らしのスタイルが中心でしたが、SDJsは社会問題や経済活動の在り方なども17のテーマが設定されています。
飢餓や差別、戦争をなくすことなど。
茶人は心を尽くす事、謙虚であること、和をもって尊しとすることが自然に身についているのですが、社会性となると、なかなか狭い世界で細々としている感じがして、もっとこの素晴らしいお茶を広く世界に発信してゆきたいのにと、ごまめの歯ぎしりの毎日です。大阪関西万博に向けて、何か行動を起こさなくてはと思っていますが、病気の百貨店みたいな体では、なんともしがたくて。
さて、茶事勉強会に話を戻します。
この茶事の勉強会は初心の方の為のお茶事こと始めと銘打っていますが、内容は、私が茶事でお客様をお迎えするときと同じ用事、一期一会の世界を作って、ただ順番を追うだけでなく、お茶の魅力、素晴らしさに出会っていただけるように進行していますので、かなりハイレベルな内容になっているかと思います。
亭主役には自身で茶事の指導やお茶の先生もされている峯風庵の卒業生さんがお付き合いいくださり、正客には感性豊かなお茶稽古のメンバーさん(実はプロのシャンソン歌手さんであることが最近わかりました。)が座ってくださったので、まるで本番さながらの茶事となりました。
初座のご挨拶も見事でした。
点心は会場近くの寿司・割烹店に頼んだものを、お茶らっしく点心盆に盛替えて、お出ししました。せめてもと、煮物椀と八寸は私の手作りです。
お酒は、山梨県の地酒 風凜山美。これもまたテーマ合わせています。
炭手前では、永遠の命を持つ鳳凰の蒔絵がついた東大寺古材で作られたものを。
中立の後は、水屋の皆さんで一仕事です。
この日のために、竹林の保存活動をしている内弟子のMさんが、大きな青竹を切りだして来てくれたものに、たくさんの花を入れました。きっと、ぎりぎりの茶事の前日まで試行錯誤しながら使い勝手の良いように、のこぎりをを掛けたり、安定させる竹のホルダーを作ってくれたり。Mさんの頑張りで、この日もメインのメッセージじを皆様にお伝えすることができました。Mさんも茶事をするとはどのようンことなのかが、深く感じとれたことと思います。誠心誠意、できることを精いっぱい。
後座の案内は銅鑼で。
水屋にも自身で茶事をされる方がいらしたので、この日の水屋の勉スペシャルな勉強は銅鑼の打ち方の極意をお伝えしました。ご亭主さんは、これまでで一番良い銅鑼が打てたと晴れやかなお顔。はい、良い銅鑼の音でした。
後座の席入りに歓声が上がりました。
濃茶、薄茶と、いつもの私の茶事のように、一つ一つの道具が物語をしてくれて、大きな世界が小さな茶室にシンフォニーのように広がりました。
話が弾んで,後座は
すっかり記録写真を撮るのを忘れて居ました。
今回もよい茶事をさせていただきました。主催する私が一番楽しんで、また修行を積むことができました。
次回はまだ予定が立ちませんが、ご縁がありましたら、茶事の勉強会にお付き合いくださいませ。
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