3月25日26日塚口真庵茶事勉強会レポ

2018年04月04日 16:01

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今年の桜前線がちょうど大阪に届いた3月の25日、そして26日。風情ある四畳半茶室の塚口真庵にて、春の陽気を思わせるゆらりと揺れる釣釜の茶事勉強会を開催しました。
真庵の露地(和の庭とイングリシュガーデンがミックスしたオーナーが丹精込めた庭です)の苔が見事に育って、春の花々もあちこちに。毎月表情を変える美しい庭に出会えるのも茶事勉強会の楽しみの一つです。
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笑い話みたいですが、ワンちゃんに吠えられ飛び掛かられてて、びっくりして後ろ向きにスッテンコロリンと転びました。たいしたことないと思っていましたが、白内障の入院中に痛みがひどくなって、なんと背骨が圧迫骨折していました。
全治2~3ケ月、ずっと安静に寝ているようにと。
この3月の茶事勉強会は早くに亭主も決まっていましたし、きっと皆さん楽しみにされているなあと思うと、中止しがたくて。
お茶の修行は、階段を一歩一歩上ってゆくというより、時として歩みが止まってしまったり、後退したり。そんな中で、ぐっと伸びる時期がどなたにもあります。今ちょうど、このグ~ンと伸びそうな方が数名いらして、この方々にストップをかけてしまうことにも忍びなくて。
茶事勉強会が終わったら、ゆっくりきちんと静養しようと、開催を決めました。
首の下までのコルセットに腰に重ねてサポーターも、痛み止めの薬、2日間の開催の体力温存のために真庵に宿泊もお願いしました。オーナーに布団を敷いてもらって、朝は上げてもらって。感謝、感謝です。
何とか普段通りに最後まで頑張れました。

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さて、今年の桜の茶事は、待合には「桜の風景図」の短冊をかけて、汲み出しの茶碗に、伊賀上野の骨董屋さんで求めた、春草の模様がはいったものを使いました。伊賀上野は松尾芭蕉が住んでいたところ。「さまざまなこと 思い出す 桜かな」。
この有名な芭蕉の俳句から、桜の茶事を始めました。
ご参加の皆様の桜の主で幅霜楽しみです。

釣釜の炭手前はちょっと大変ですが、二日とも亭主役の方、見事でした。下火も上手に入れてくださって、五徳のない炉の景色も楽しいものでした。
香合は、かわいい都鳥。隅田川の都鳥を思い、隅田川の桜が目に浮かぶ。
今回の茶事では、桜や桜の名所をちりばめて、楽しんでいただきました。
最期の薄茶の煙草盆には、今は無き湖東焼きをうつした膳所の「旅人図」の八角火入れ。桜前線をたどりながらの桜の花見はいかがでしたか?と落ちをつけてしまいました。

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春の茶懐石は、いただくのもいいですが作るのがとても楽しい。春の食材の香や歯ざわり、彩など、ワクワクしながら作るこ
ができます。今回も水屋コースの皆さんで、当日お出しする懐石フルコースと主菓子、干菓子の白餡入り落雁の水を作りました。

<向付   貝と春野菜の苺酢掛け
汁    新ゴボウ 合わせ味噌 辛子
煮物椀  鯛の桜葉蒸し 菜の花: 筍 木の芽
焼物   生鮭幽庵焼き たたき木の芽
強肴   独活 筍 新わかめ 菜の花 車エビ
小吸い物 エンドウ豆
八寸   いかなご釘煮  フキノトウの衣揚げ
酒    銘  秀よし
湯斗
香の物  沢庵  日の菜

主菓子   銘 桜咲く (求肥 桜餡) 

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焼物と強肴は時代の重箱に重ねてお出ししましたら、お客様の歓声が。
お酒は大阪にたくさんの桜を植えた太閤秀吉niちなんで選びました。

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後座は、水屋コースの方々も一緒に席入りして、濃茶、後炭 薄茶、そして私のお茶話を聞いていただきます。お茶話は茶事の意味や意義、客、水屋それぞれの心構えなどの解説と、その日の茶事の世界を楽しんでいただける(茶事の客によばれたときにこんなお話ができるといいですねという サンプルでもあります)お話をさせていただいています。

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待合の「さまざまなこと 思い出す 桜かな」をうけて、一つは、6年前に3年間続けた今はもう閉まってしまった万博日本庭園の中の茶室・汎庵での最後のの茶事講座での思い出を。桜は春の命の象徴でもあるし、また、別れや死を感じさせることもあると。床の花は汎庵の時と同じく、盆に桜の一枝を水を入れずにおいていただきました。汎庵最後の茶事のレポートはこちらをクリックしてご覧ください。http://wa202020.blog64.fc2.com/blog-category-2.html

汎庵は広間でしたので道具も華やかなものでないとなかなか目を引きません。時代根来の赤の色が美しい隅切り盆を使いましたが、真庵では渋い朽木盆にしました。同じ桜でも亭主によって入れ方が違います。花の姿は亭主の心を表します。どちらも素敵です。花も人も限りある命、その命を精いっぱい生きることが大事だというメッセージです。
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もう一つの桜の話は、以前に町の活性のお手伝いにと出かけた長崎県五島列島のある島で出会った桜。美しい海と山、村人に守られた小さなキリスト教の教会・・・。楽しみに出かけた五島列島でしたが、海はコンクリートで固められ、山には縦横に大きな道路が走り、無残な姿。工事で島にお金が落ちなかったらうちの子を大学にはいかせられなかったという話を聞くと、言葉はないのだけれど。その時ふと視野に入ったのが一本の桜。黄色かかった花と黄緑の若葉が同時に出ている珍しいものでした。コンクリートの海を眺めるように、すくっと立った美しい桜。人間のすることなんて、こんなものよねと言われているような気持でその美しさに目を奪われました。この島も美しい自然をそのまま残していれば、世界中の方々が訪れる幸せの村になっただろうにと。

後座の濃茶の茶碗をいただいた陶芸家の方が二日目の正客さんに来ていただいており、使い込んだ茶碗をとても喜んでくださいました。貧乏茶人にはとても買えない作品です。
これからも大事に使わせていただきます。

後炭、薄茶と進と、ああ、これで茶事が終わってしまうと少し名残しい気持ちになる、そんな茶事が、勉強会でもできていることに、感動と感謝。
薄茶が終わる頃、床の桜がはらりと花びらを散らしました。茶事の礼状をくださった方の中にはこのことに気づかれて、心深く受け止めてくださいました。
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4月はゆっくり休みますが、かえって茶事ができない方が私は元気がなくなることでしょう。5月27日28日の塚口真庵での茶事勉強会を心待ちにしています・

2月25日26日塚口真庵茶事勉強会「茶飯釜」の茶事レポ

2018年03月02日 20:19

遅くなりましたが、2月25日26日の塚口真庵茶事勉強会の覚書を。
茶飯釜の茶事は習いのない茶事で、楽しくちょっと砕けた茶事ですが、私は、この茶事に茶事の原点を見る思いがします。
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茶飯釜は利休の弟子の宗徳が始めたもの。おくどさんにかける飯炊きの釜の形をしています。その釜には「飢来飯」「渇来茶」と文字が彫られていて、おなかがすいた方にはどなたにもご飯を差し上げましょう、のどが渇いた方がいらしたらどなたにもお茶を差し上げましょう。人にも仏性が現れます。

茶室の炉で、茶釜でご飯を炊いて懐石のおもてなしをするのは、亭主だけの働きではなく。お客様の協力が必要です。どの茶事でも主客で一座建立してゆくことが大事ですが、ともすればお客様はただ黙って、ご飯を食べ、酒を飲み、お茶とお菓子を召し上がって、ひたすら無言で帰えらるか、決まったとことでありきたりの挨拶があるという茶事もあって、そんなときの亭主の落胆といったら。これは亭主をやってみないとわからないことかもしれませんが。
茶飯釜では自然に主客が協力し、その間会話も弾み、楽しいだけでなく、相手を思う気持ちが自然に備わってきます。一粒のお米への感謝の気持ちも沸いてきます。茶人としても心が育ちます。
ご参加のお正客役の方からも、茶飯釜はしないといけませんね、これは大事な茶事ですなあと感想をいただき、思わず、にこりと、私。
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気軽な茶事といわれている茶飯釜ですが、奈良のお水取りの趣向にしました。
たぶん、お水取りの行事を行う東大寺のどこかでは、たき火がたかれ大きな鉄の釜がかけられてご飯を炊いているはずです。行事を執り行われる方々への食事接待です。私は金春流の仕舞を家元について習っていましたので、年末の春日大社の御宮で家元が能を舞われるのについて行って、春日大社の焚火のご飯をいただいていました。お菜は味噌汁と漬物と佃煮だけでしたが、そのご飯の美味しいことと言ったら。野外で行われる宗教行事となると鉄の釜で炊いた美味しいご飯というのが私の思考回路です。
かってな思いではありますが、今回の茶飯釜の茶事はちょうど準備が始まっているお水取り野趣向にして、美味しいご飯を頂きながら春を待つ気持ちを皆さんで共有させていただきました。

茶飯釜ではたっぷりの炭を入れて、火吹き竹で、フ~フ~拭いて火力を上げてご飯を炊きます。釜の中でお米の踊る音がして湯気が上がり始めると鎖を上げて火加減を調節。

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ご飯が炊きあがるまでに、香合の拝見、向付と一献、八寸を済ませます。煮物椀を先に出すこともありますが、見もの椀はおなかが大きくなりますので、おなかがすいた状態で炊きたてのご飯とみそ汁をというのが私の手法です。
二日ともご飯は上手に炊き上がり、一口召し上がって歓声がもれました。良かった。
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初座の床には「心清似鏡 願深如海」の禅語。菩薩の心は鏡のように清らかで透き通っていて、衆生を救おうという願いは海のように深い。菩薩の心と願い、ありがたいです。お水取は東大寺二月堂の十一面観音に、天下泰平、五穀豊穣を祈る行事。連行衆の振りかざすお松明や、五体投地の荒行で、知られています。
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炉で燃え盛る炭火に、始終お客のおもてなしに心を尽くす亭主の姿に、何かを感じていただければ。
懐石は、向付と汁、強肴の鍋は精進にしました。それぞれ下拵えのいる精進五和絵の向付け、かないろに入れて炉で温めた蓬麩のお汁。八寸は若狭カレイとタラの芽の衣揚げ。
煮物椀は。春を待つ桜鯛のとろろ蒸し、焼き物は鰆の塩焼。強肴は蕗の揚巻、独活、ニンジン、干しシイタケ、芹。
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主菓子は蓬を使った、若草山です。
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後蓙の床には、二月堂の須弥壇を習って散華を。今年は椿が少なくて、困っていましたが、皆さまのおかげでたくさんの椿が集まって、夢のような散華をすることができました。心より感謝。

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水指は釣瓶、濃茶の茶椀は水を思わせてくれる青萩の井戸型を。後炭では、炭がすっかり燃えていて、輪胴を入れることができました。薄茶の干菓子は水の落雁と」州浜の蕨。四天王寺の河藤製です。たまには、プロのお菓子も使ってみたくて。
薄茶のお茶碗は私の大好きな三椀。赤膚二楽さんの奈良絵、、加藤春二さんの柳、今は無き中宮寺釜の刷毛目に梅の図。
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今回もい茶事ができて、幸せです。
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次回は3月25日(日)26日(月)、桜前線 釣釜正午の茶事の勉強会です。四畳半茶室でゆらりと揺れる釣り釜の心地よさ、桜に寄せる思いをゆったりとお楽しみください。会費16000円。ご参加申し込み受付中です。

11月26日27日塚口真庵茶事勉強会 炉開き・正午の茶事 レポート

2017年12月15日 02:34

もう12月になってしまいましたが、11月26日27日の塚口真庵茶事勉強会 炉開き・正午の茶事の覚書です。
やはり四畳半の炉の風情はいいですね。大きな炭で、煮えのついた釜から立ち上る湯気。釜の奏でる松風の音。ほっこり、心が解けてゆくようです。
主客の心が寄り添う、素敵な茶事でした。
初亭主役、初正客役をされるかたもあり、それぞれにたくさんの学びがあったことと思います。お客様方のさりげない心遣いがうれしい勉強会でした。

待合ではお茶や武道などを学ぶ人の心構えを説いた、守、破、離の文字が入った利休道歌の色紙をかけました。「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」

初入りの床には「松樹千年翠」大徳寺     の墨蹟。この禅語には「時人心不入」の対句があります。松の木はいつまでも美しい翠の色を見せてくれているのに、それを見る人はその美しさに気づかない。自然の美しさや豊かさに気づく心、感謝する心。茶人として自ら育んでゆきたい事柄です。

茶人の正月の11月、おめでたい道具組だけでなく、お茶の本を心に刻んでいただけるようにと、この日の茶事の世界を作っていました。さて、皆さんの心にとどいたでしょうか?

今回は大徳寺関連の物を3つ揃えました。強くメッセージを発したいものは重ねて使います。
初座の床の掛物は「松樹千年翠」大徳寺 孤逢庵 卓厳和尚、懐石料理の向付に鯛の昆布〆大徳寺納豆はさみ、濃茶の茶碗には、利休にもゆかりのある大徳寺呉器写しを。
茶ふぉうの祖 村田珠光が大徳寺の一休和尚と出会って、禅の精神性を支柱とした道としてもお茶が生まれることになります。武野紹鴎を経て利休に受け継がれ茶道が集大成されてゆきます。
今もなお当時と変わらぬ茶道が息づいていることに、驚きもあり、ありがたくもあり。
待合の語が強くイメージされます。守り尽くすと言うところが大事で、簡単に破ったものは(破る前より良くなれば意味はない)えてして意味のないことが多かったのでしょう。
11月の茶事につきものの,三べのお話、懐石やお菓子に柿と栗をどこかに使う話、千家を学ぶものは宗旦忌が炭までは銀杏を口にしないお話などもさせていただきました。

<懐石の献立>
向付  鯛昆布〆大徳寺納豆と山葵はさみ 寿海苔 三つ葉軸 加減醤油
          器―和青磁小菊文様
汁   亀甲海老芋 小豆。辛子
煮物椀 紅白真蒸 大黒しめじ 芽連想 ゆず=正法寺椀
焼物  鰆 酒師焼き  器=黄瀬戸扇面
強肴  法蓮草 蟹 薄焼き卵の和え物  器=赤絵 福の字
小吸物 松の実
八寸  からすみ  むかご松葉刺し
酒   貴仙寿 吉兆
湯斗  煎り米
香の物 沢庵 蕪 株の葉

主菓子  亥の子餅


塚口真庵 夕去りの茶事レポ 月よと兎の物語

2017年10月31日 20:58

忘れないうちに、9月24日25日に開催させていただきました塚口真庵茶事勉会の備忘録を。
夕方が去ってゆく時間に行う夕去り茶事は初座が陽で、明るい間に初炭と懐石。中立ちしていただいて、夕暮れの鐘で後座の後ご案内。席入りしていただくと陰の世界。床には掛物と手燭の蝋燭の灯り。点前座近くには短繋の灯り。
大好きな茶事です。

今年は中秋の名月は10月4日です。9月の終わりの茶事ですから、季節を楽しみたいと昨年と同じですが月見の趣向で。
今年は「月夜と兎の物語」の世界をご用意させていただきました。秋の風情を感じていただける道具組、なるべく道具は重ねないで、小さな茶室の中に大きな世界を作り出すのが茶事ではよいとされていますが、テーマになるものは重ねることでお客様の心にも茶事の進行とともに深く伝わってゆきます。
今回は月と兎が随所に登場しました。去年の月と兎とはなるべく違ったものをと、苦心惨憺。(*^-^*)

初座の床は花になりますので、印象的に。両日共に亭主役の方が美しく入れてくださいました猪
初炭の炭斗は、私の自慢の兎篭。久々の登場です。2日目の正客様の気転で、風炉中拝見の時に兎篭をご覧いただいて、「先にたずねなくてよかった」と。こんな主客のやり取りの機微も茶事の醍醐味です。

懐石は、出先の簡易台所ですので、あまり塚口では手の込んだ献立ができないのですが、去りは少し軽めにご用意しますので、ちょうどよかったかも。
向付  茶懐石で大好評だった〆鯖の梨巻き。白板昆布で撒いています。
汁   サツマイモ、合わせ味噌 粉山椒
煮物椀 名残の鱧と走りの松茸 菊花散らし
焼き物 秋鮭幽庵焼き
強肴  葡萄の和え物
八寸  煮アナゴ   枝豆  
お酒は茨城県の地酒  月の井 です。
主菓子はやっぱり楽しい兎饅頭に。水屋コースの皆さん、ほんとに楽しそうに作っていただきました。

日の暮れるのが、日一日早くなり、4時席入りの24日は中立で急きょ露地に蝋燭の灯りをご用意しました。

後座は、幻想的な雰囲気で、濃茶と続き薄になります。
床には、この勉強会のために和尚様に書いていただいたお軸を。表装が間に合ってよかった。
「話尽山雲海月情」

いつも後座では私のお茶話を聞いていただきますが、今回は大黒様と兎の物語、ウサギ年の私の今のお茶物語の二つをの話を皆さまに聞いていただきました。

月には兎がいるといわれます。旅人に姿を変えた大黒天のために焚火の中に身を投げた兎を大黒様は哀れに思い、月の世界に送ったといわれています。ここにお茶の本質を見出すことができます。なかなか兎のようにはできませんが、人のために心を尽くすというところにを抜きにはお茶は成立しないなあと。亭主、裏方、客ともに。

月はそれぞれの求めるお茶の道の先にあるものにたとえられます。私も一年一年、毎月毎月、道を先にぬ向かって歩んでいますが、時として立止まったり、後退することも。
時により、気付くこと、納得すること、パッと世界が開けることも。
今回の御軸の禅語は、山に雲がたなびく様、海に映った美しい月の姿に、全ての自然や宇宙の心を、腹蔵なく全てをここに集う人たちでで語り尽くそうではないかということかと。禅語でありますので、語りつくすことは悟りや仏教の教えなどで、高い修行を積のれた方々のさわやかな時空を感じます。
夕去りの茶事の後座、灯火の元で、私たちも語ろうではありませんか。悟りには程遠い凡人ではありますが、私も茶の道を歩む中でいくつか語るに足る話もできるのではないかと。この禅語はの御軸は昔からほしかったものではありますが、ようやくこの年になって、私がかけても、もう許されるのではないかと自分で考えてののこと。

で、語りたいことは、茶事は社会の縮図であるということ。目指すべき社会の在り方を茶事の中で求めているのではないかと。豊かな時間が流れ、真・善・美を求める中で素晴らしい人格が形成され、周りの人々に心をつくす。平和で和やかで、幸せな社会。なので、茶事が終わったらそれで終わりではなく、異空間ともいえる茶事の世界から現実の世界に戻った時にこそ、茶人としての役割が始まると思います。
そして、このような心を育てるのには、茶事の中だけでなく日ごろの稽古も大事だなあと。稽古嫌いな私が最近、稽古の大事さに改めて気が付きました。自身を律して、人を思う心は稽古を積むことで自然に身についてゆくように思います。

お茶はどこから入っても楽しいですし、亭主をしなければ点前も稽古もすることもないかなとも思いますが、稽古をして、ハッとわかることも多いですね。
今回、お茶話を考えるにあたって、たぶん初めて稽古の大事さをお話ししたように思います。(*^-^*) 

今回初参加の方がお二人いらして、はじめての方がいらっしゃるとお茶の魅力を少しでも多くお伝えしたいと、熱く語ってしまう私です。話が多くて亭主役の方野お邪魔虫かもです。ちょっと反省。

写真は二日間のが混ざっています。お楽しみいただければ幸いです。
次回の茶事勉強会は10月22日、低い椅子席のじないまち峯風庵での名残・正午の茶事。11月26日27日の四畳半茶室塚口真庵 炉開きの喜び・正午の茶事です・
お茶が初めての方、茶事が初めての方も大歓迎です。ぜひご参加くださいませ

五月の塚口真庵茶事勉強会初風炉・正午の茶事「風の森」レポ

2017年06月08日 16:42

5月28日29日、塚口真庵茶事勉強会が終了。心深く受け止めてくださったご参加の皆さまからのメールをありがたく、かみしめているところです
今回のテーマは「風の森」。私のこれまで開催させていただいた茶事の中で、五本の指に入るのではないかと思う茶事の世界をご用意することができました。
まだ若干未消化のところがあったのですが「、かえってそれがよかったかと。
プランナーとして企画書を書くときに気を付けていることは、完璧にしないこと。クライアンとの思いや意見を取り入れて一緒に仕事をしてゆけるように・
茶事も同じで、亭主を支える裏方、そしてお客様との共同作業で、特別な時空を作りあげてゆきます。その中で、互いに磨かれ、磨いた人間力を日常に帰って生かすことで、より良い人間関係や社会を作り出す。そのように茶道は成り立ってきました。日本人の深い精神性、和の心、知恵が生きています。そして何より、楽しい。
初参加の方で、[茶事とは点前を見、道具の作家をたずねるだけで、後は黙っているもの」とおもっていましたとおっしゃいました。らひょっとそう思っている方は多いのかも。
点前や道具は手段であって目的ではありません。なので、そんな茶事は本当につまらない。
茶道や茶事の醍醐味を、まだまだお伝えしてゆかねばと改めて思った茶事勉強会でもありました。初参加野お二人が帰り際に次回の申し込みをしてくださったことは、とてもうれしいことでした。

さて、風の森の茶事は、まずは「風の森」という銘のお酒を見つけたことから始まりました。奈良県御所市の油長酒造の生酒です。金剛葛城山系の原生林深層地下水で仕込まれています。富田林市じないまちの峯風庵からも金剛・葛城山が見渡せます。
じないまちには、この季節に燕がたくさんやって来て、風邪を切って飛び交っています。その光景を見るだけで心が晴れやかになって、幸せが気分になります。
風が吹くと何かが変わります。露地を通って、まっさらな気持ちで席入りするときと同じようにリセットという感覚があります。
今回の茶事では様々な風を感じていただき、森林浴のような気持ちのよい時空をお届けしたいと思いました。
私の手元には「探求の森」と名付けた茶碗があります。イギリスのアンチーク・シェリーのティーセットのシュガーポットを見立てたものです。大きな森の前に扉があって、そこを開いて森の中に入ります。茶道は、この探求の森だと思っています。
森は深くて大きくて、踏み込めば何かと発見し足り出会ったりワクワクすると共に木すばらしい自然の光景や生き物たち。木々の成長の過程、朽ち果てる姿。ちょっと怖い感じもします。
木を見て森を見ないという戒めもありますが、大きくて懐の深い森を探るように、茶道の道を探求してゆきましょうという今回のメッセージです。
懐石料理やお菓子も森をい目イメージしたものにしようと四苦八苦・
最近は生で食べることはできる川魚が手に入らないので、向付は先月の茶懐石料理教室で公表だった鰹のたたきに特製の卵たれをかけて。2日とも鰹を一本づつ買って、朝、水屋コースの方々と一緒にたたきにするところから。やっぱり、作り立ては美味しいですね。
汁には蕗を。煮物椀にはじゅんさいを入れて。焼き物は鴫の形に似ている茄子のシギ焼きを・強肴は山くらげや鶏のささみなどの和え物。八寸は沢蟹とアスパラです。

炭手前には、清風籠と絶滅危惧種のイヌワシの羽箒、香合は何十万年も前に地中に埋まった森の木、埋もれ木を用いました。

風の森、この季節にぴったりの茶事になりました。

次回は6月25日(日)26日(月)伏傘懐石にて、正午の茶事。恵みの雨の頃
蛍に寄せて、ひそやかな明かり 茶の陰陽についてお茶話をさせていただきます。


今月の茶懐石料理教室は、水無月・伏傘懐石です。
うっとおしい梅雨の時期に濃茶まで気持ちがだれないように、懐石をサラサラと進める工夫です。
お椀にご飯を盛り、汁椀で蓋をして持ち出しますが、その姿が傘のように見えるところから、この命名となったようです。ご飯は最初の一文字と次の飯替えの分をこんもりと。食欲のない時期に食が進むように、新ショウガご飯を盛りました。汁はかないrに2回分を持って、お客様に取り回しをしていただきます。
今回の実習のメインは、鮎の背骨を外して踊り串をして炭火焼き。他での葉を吸って濃厚なタデ酢を塗ります。茶懐石は後に残るものはお出ししません。すべて食べられるものをお出しします。鮎の塩焼きの下に笹の葉を敷いてみたくなりますが、持ち帰るお客様の手間を考えてぐっとこらえます。
皆さん鮎との格闘、お疲れさまでした。かんてき(七輪)にお茶で残った消し炭を入れて団扇でパタパヤ。今ではこんな事めったにしませんが、炭d絵や板アユは、とても美味しかったです。
煮物椀は、鱧の葛たたきに梅肉をちょっちょ乗せて、エンドウ豆の摺り流しに。あしらいは管ゴボウと防風です。
梅雨時は、懐石があまり重くならないように。
主菓子は久しぶりに葛をたっぷり入れた水無月にしました。大好評でした。
来月は、6月16日(金)17日(土)18日(日)文月・朝茶事の懐石とお菓子。お菓子は主菓子と干菓子も作りまsすね。


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