5月27日28日塚口真庵茶事勉強会 初風炉・正午の茶事「緑の森で~」レポ

2018年06月02日 16:58

5月27日28日の塚口真庵茶事勉強会 初風炉・正午の茶事「緑の森で~」のレポートです。
自身の茶事をし始めてから、もう20数年になります。勉強会の茶事も本番の茶事と同じように、その時できる限りの心入れをして開催させていただいています。今回の茶事は、私的には、これまでの茶事の中で10本の指に入るかもしれない茶事になりました。ご参加いただきました皆様に感謝いたします。
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どの写真を一枚目にしようかと悩みましたが、後座の床の花にしました。森の小径に見えるでしょうか。これは二日目のご亭主の花。後の方に、初日の亭主の花も紹介しています。初日はイメージを伝えるために私がだいぶ手を出してしまって、亭主役の方にはごめんなさいを言わなくては。

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茶事のテーマは別段なくてもいいのですが、お客様にその時空を楽しんでいただくために、また主客のカンバセーションピースになるように、茶事の世界を創造します。お茶はもともととても創造的なものですが、なんだか型にはまってしまっているのはもったいなくて。

今回の茶事の世界を考えていると、頭の中で「ある日 森の中 熊さんに出会った~。♪」という歌がエンドレスで流れてきました。。出会う熊は凶暴な熊ではなくて、プーさんだったらいいのにな、なんて。森で中、さて何が起こるでしょうか?

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待合には、願いを込めて「日々是好日」の色紙と、イギリスのアンティークでアールヌーボーのシェリー作のティーカップのセットを飾りました。目の前に森があってそこには扉が描かれています。さあ、この扉を開けて、森の中へ。5月の真庵の露地は緑があふれんばかり。皆さん、口々に森の中にいるみたいと。森は目の前にある見知らぬ世界、探求すべき大きな課題ととらえていて、、時々シュガーポットを茶椀に見立てて、お茶の道を示唆することも。

森といえば、ヘンデルとグレーテルや赤ずきんちゃんを思い浮かべます。森は美しいけれど、ちょっと怖い、そんなイメージがあります。林は人の手が入っていますが、森は人間の手が入らない生き物たちの世界。ちょっと畏敬の念を抱くことも。昔、森と人が住む村の間には里山があって、生き物と人間は互いに理解しあい、互いに寄り添って生きてきましたが、今は里山もなくなり、獣害といいう問題が発生。スタジオジブリの映画、宮崎駿さん作の「もののけ姫」や「平成狸合戦ポンポコ」などには、その軋轢と哀しさが表現されています。

楽しくて やがて哀しき 森の中

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真庵の5月の露地はまるで森のよう。お客様も森の中をと通って茶室につきましたとご挨拶いただけ、あした。、今回のテーマは真庵の美しいイングリシュガーデンのような庭からもインスピレーションを受けました。

懐石は、燻製とジビエりゅりの達人・シェフズキッチンカナールのオーナーシェフの中西次郎さんにお願いして少し助けていただきました。海の物を使わない懐石もはじめてのことです。
お酒は熊本県の地酒。限定品の大吟醸「森のくまさん」を奮発しました。向付けはシェフ特製のスモークサーモンと森のバターと言われるアボカド。スモークサーモンを一口食べて、皆さんこんなサーモンは初めて、美味しい~~と。本当に素晴らしいスモークサーモンでした。汁は楓麩、煮物椀は加太胡瓜の鶏肉詰め、焼き物の風干しの素揚げ。焼き物の器は二日目のお正客さんの作品の織部の板皿です。肴は新じゃがいもと鶏の和え物。そして、八寸はシェフ特製のイノシシの照り焼き、相性抜群と勧めるいただいたゴボウのピクルス。これまた絶品。
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自然や穀物連鎖を壊しているんは人間。茶事では自然や恵みや生き物の命を感謝してただきます。ジビエは、とっても美味しいので、無駄にしないでしっかりいただきましょう。

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炭手前では絶滅危惧種のイヌワシの羽箒を使いました。世界中で、15分に一種、種が絶滅していると聞いたことがあります。種の多様性は喜びや幸せな気持ちにつながると思います。
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主菓子はドライフルーツとナッツをたっぷり練り込んだ求肥「森の恵み」です。後座になって、濃茶、後炭。薄茶と続きます。道具には生き物をたくさん登場させました。干菓子は「森の木の枝に見立てた葉っぱの雲平 はちみつを入れた州浜の熊さん。やっと念願かなってプーさん登場です。(*^-^*)

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茶事の道具にはたくさんの生き物が登場しました。もともと生き物は好きなので、今回の道具組にはほとんど苦労することはありませんでした。絶滅危惧種の日本メダカのお茶椀も、良い仕事をしてくれました。

自身の覚書もあってレポートを書いていますが、なかなか茶事の全容は文章にはできません。同じ時空を共にして心を寄せたもの同士にしか理解できないこともたくさん。最近は台所を茶事が始まるとサポートのT先生にお任せして、私は茶室の水屋と茶室の中で、じっくり説明ができるようにしていますので、茶事が初めての方もどうぞ遠慮なくご参加ください。またベテランの茶人さんも、お付き合いいただけたら幸いです。
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次回は6月の17日18日 伏傘懐石にて、雨の季節・正午の茶事。うっとおしい季節ですが見立ての茶道具でお楽しみくださいませ。見立て斗取り上げの違いも開設いたします。

3月25日26日塚口真庵茶事勉強会レポ

2018年04月04日 16:01

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今年の桜前線がちょうど大阪に届いた3月の25日、そして26日。風情ある四畳半茶室の塚口真庵にて、春の陽気を思わせるゆらりと揺れる釣釜の茶事勉強会を開催しました。
真庵の露地(和の庭とイングリシュガーデンがミックスしたオーナーが丹精込めた庭です)の苔が見事に育って、春の花々もあちこちに。毎月表情を変える美しい庭に出会えるのも茶事勉強会の楽しみの一つです。
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笑い話みたいですが、ワンちゃんに吠えられ飛び掛かられてて、びっくりして後ろ向きにスッテンコロリンと転びました。たいしたことないと思っていましたが、白内障の入院中に痛みがひどくなって、なんと背骨が圧迫骨折していました。
全治2~3ケ月、ずっと安静に寝ているようにと。
この3月の茶事勉強会は早くに亭主も決まっていましたし、きっと皆さん楽しみにされているなあと思うと、中止しがたくて。
お茶の修行は、階段を一歩一歩上ってゆくというより、時として歩みが止まってしまったり、後退したり。そんな中で、ぐっと伸びる時期がどなたにもあります。今ちょうど、このグ~ンと伸びそうな方が数名いらして、この方々にストップをかけてしまうことにも忍びなくて。
茶事勉強会が終わったら、ゆっくりきちんと静養しようと、開催を決めました。
首の下までのコルセットに腰に重ねてサポーターも、痛み止めの薬、2日間の開催の体力温存のために真庵に宿泊もお願いしました。オーナーに布団を敷いてもらって、朝は上げてもらって。感謝、感謝です。
何とか普段通りに最後まで頑張れました。

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さて、今年の桜の茶事は、待合には「桜の風景図」の短冊をかけて、汲み出しの茶碗に、伊賀上野の骨董屋さんで求めた、春草の模様がはいったものを使いました。伊賀上野は松尾芭蕉が住んでいたところ。「さまざまなこと 思い出す 桜かな」。
この有名な芭蕉の俳句から、桜の茶事を始めました。
ご参加の皆様の桜の主で幅霜楽しみです。

釣釜の炭手前はちょっと大変ですが、二日とも亭主役の方、見事でした。下火も上手に入れてくださって、五徳のない炉の景色も楽しいものでした。
香合は、かわいい都鳥。隅田川の都鳥を思い、隅田川の桜が目に浮かぶ。
今回の茶事では、桜や桜の名所をちりばめて、楽しんでいただきました。
最期の薄茶の煙草盆には、今は無き湖東焼きをうつした膳所の「旅人図」の八角火入れ。桜前線をたどりながらの桜の花見はいかがでしたか?と落ちをつけてしまいました。

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春の茶懐石は、いただくのもいいですが作るのがとても楽しい。春の食材の香や歯ざわり、彩など、ワクワクしながら作るこ
ができます。今回も水屋コースの皆さんで、当日お出しする懐石フルコースと主菓子、干菓子の白餡入り落雁の水を作りました。

<向付   貝と春野菜の苺酢掛け
汁    新ゴボウ 合わせ味噌 辛子
煮物椀  鯛の桜葉蒸し 菜の花: 筍 木の芽
焼物   生鮭幽庵焼き たたき木の芽
強肴   独活 筍 新わかめ 菜の花 車エビ
小吸い物 エンドウ豆
八寸   いかなご釘煮  フキノトウの衣揚げ
酒    銘  秀よし
湯斗
香の物  沢庵  日の菜

主菓子   銘 桜咲く (求肥 桜餡) 

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焼物と強肴は時代の重箱に重ねてお出ししましたら、お客様の歓声が。
お酒は大阪にたくさんの桜を植えた太閤秀吉niちなんで選びました。

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後座は、水屋コースの方々も一緒に席入りして、濃茶、後炭 薄茶、そして私のお茶話を聞いていただきます。お茶話は茶事の意味や意義、客、水屋それぞれの心構えなどの解説と、その日の茶事の世界を楽しんでいただける(茶事の客によばれたときにこんなお話ができるといいですねという サンプルでもあります)お話をさせていただいています。

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待合の「さまざまなこと 思い出す 桜かな」をうけて、一つは、6年前に3年間続けた今はもう閉まってしまった万博日本庭園の中の茶室・汎庵での最後のの茶事講座での思い出を。桜は春の命の象徴でもあるし、また、別れや死を感じさせることもあると。床の花は汎庵の時と同じく、盆に桜の一枝を水を入れずにおいていただきました。汎庵最後の茶事のレポートはこちらをクリックしてご覧ください。http://wa202020.blog64.fc2.com/blog-category-2.html

汎庵は広間でしたので道具も華やかなものでないとなかなか目を引きません。時代根来の赤の色が美しい隅切り盆を使いましたが、真庵では渋い朽木盆にしました。同じ桜でも亭主によって入れ方が違います。花の姿は亭主の心を表します。どちらも素敵です。花も人も限りある命、その命を精いっぱい生きることが大事だというメッセージです。
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もう一つの桜の話は、以前に町の活性のお手伝いにと出かけた長崎県五島列島のある島で出会った桜。美しい海と山、村人に守られた小さなキリスト教の教会・・・。楽しみに出かけた五島列島でしたが、海はコンクリートで固められ、山には縦横に大きな道路が走り、無残な姿。工事で島にお金が落ちなかったらうちの子を大学にはいかせられなかったという話を聞くと、言葉はないのだけれど。その時ふと視野に入ったのが一本の桜。黄色かかった花と黄緑の若葉が同時に出ている珍しいものでした。コンクリートの海を眺めるように、すくっと立った美しい桜。人間のすることなんて、こんなものよねと言われているような気持でその美しさに目を奪われました。この島も美しい自然をそのまま残していれば、世界中の方々が訪れる幸せの村になっただろうにと。

後座の濃茶の茶碗をいただいた陶芸家の方が二日目の正客さんに来ていただいており、使い込んだ茶碗をとても喜んでくださいました。貧乏茶人にはとても買えない作品です。
これからも大事に使わせていただきます。

後炭、薄茶と進と、ああ、これで茶事が終わってしまうと少し名残しい気持ちになる、そんな茶事が、勉強会でもできていることに、感動と感謝。
薄茶が終わる頃、床の桜がはらりと花びらを散らしました。茶事の礼状をくださった方の中にはこのことに気づかれて、心深く受け止めてくださいました。
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4月はゆっくり休みますが、かえって茶事ができない方が私は元気がなくなることでしょう。5月27日28日の塚口真庵での茶事勉強会を心待ちにしています・

2月25日26日塚口真庵茶事勉強会「茶飯釜」の茶事レポ

2018年03月02日 20:19

遅くなりましたが、2月25日26日の塚口真庵茶事勉強会の覚書を。
茶飯釜の茶事は習いのない茶事で、楽しくちょっと砕けた茶事ですが、私は、この茶事に茶事の原点を見る思いがします。
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茶飯釜は利休の弟子の宗徳が始めたもの。おくどさんにかける飯炊きの釜の形をしています。その釜には「飢来飯」「渇来茶」と文字が彫られていて、おなかがすいた方にはどなたにもご飯を差し上げましょう、のどが渇いた方がいらしたらどなたにもお茶を差し上げましょう。人にも仏性が現れます。

茶室の炉で、茶釜でご飯を炊いて懐石のおもてなしをするのは、亭主だけの働きではなく。お客様の協力が必要です。どの茶事でも主客で一座建立してゆくことが大事ですが、ともすればお客様はただ黙って、ご飯を食べ、酒を飲み、お茶とお菓子を召し上がって、ひたすら無言で帰えらるか、決まったとことでありきたりの挨拶があるという茶事もあって、そんなときの亭主の落胆といったら。これは亭主をやってみないとわからないことかもしれませんが。
茶飯釜では自然に主客が協力し、その間会話も弾み、楽しいだけでなく、相手を思う気持ちが自然に備わってきます。一粒のお米への感謝の気持ちも沸いてきます。茶人としても心が育ちます。
ご参加のお正客役の方からも、茶飯釜はしないといけませんね、これは大事な茶事ですなあと感想をいただき、思わず、にこりと、私。
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気軽な茶事といわれている茶飯釜ですが、奈良のお水取りの趣向にしました。
たぶん、お水取りの行事を行う東大寺のどこかでは、たき火がたかれ大きな鉄の釜がかけられてご飯を炊いているはずです。行事を執り行われる方々への食事接待です。私は金春流の仕舞を家元について習っていましたので、年末の春日大社の御宮で家元が能を舞われるのについて行って、春日大社の焚火のご飯をいただいていました。お菜は味噌汁と漬物と佃煮だけでしたが、そのご飯の美味しいことと言ったら。野外で行われる宗教行事となると鉄の釜で炊いた美味しいご飯というのが私の思考回路です。
かってな思いではありますが、今回の茶飯釜の茶事はちょうど準備が始まっているお水取り野趣向にして、美味しいご飯を頂きながら春を待つ気持ちを皆さんで共有させていただきました。

茶飯釜ではたっぷりの炭を入れて、火吹き竹で、フ~フ~拭いて火力を上げてご飯を炊きます。釜の中でお米の踊る音がして湯気が上がり始めると鎖を上げて火加減を調節。

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ご飯が炊きあがるまでに、香合の拝見、向付と一献、八寸を済ませます。煮物椀を先に出すこともありますが、見もの椀はおなかが大きくなりますので、おなかがすいた状態で炊きたてのご飯とみそ汁をというのが私の手法です。
二日ともご飯は上手に炊き上がり、一口召し上がって歓声がもれました。良かった。
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初座の床には「心清似鏡 願深如海」の禅語。菩薩の心は鏡のように清らかで透き通っていて、衆生を救おうという願いは海のように深い。菩薩の心と願い、ありがたいです。お水取は東大寺二月堂の十一面観音に、天下泰平、五穀豊穣を祈る行事。連行衆の振りかざすお松明や、五体投地の荒行で、知られています。
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炉で燃え盛る炭火に、始終お客のおもてなしに心を尽くす亭主の姿に、何かを感じていただければ。
懐石は、向付と汁、強肴の鍋は精進にしました。それぞれ下拵えのいる精進五和絵の向付け、かないろに入れて炉で温めた蓬麩のお汁。八寸は若狭カレイとタラの芽の衣揚げ。
煮物椀は。春を待つ桜鯛のとろろ蒸し、焼き物は鰆の塩焼。強肴は蕗の揚巻、独活、ニンジン、干しシイタケ、芹。
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主菓子は蓬を使った、若草山です。
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後蓙の床には、二月堂の須弥壇を習って散華を。今年は椿が少なくて、困っていましたが、皆さまのおかげでたくさんの椿が集まって、夢のような散華をすることができました。心より感謝。

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水指は釣瓶、濃茶の茶椀は水を思わせてくれる青萩の井戸型を。後炭では、炭がすっかり燃えていて、輪胴を入れることができました。薄茶の干菓子は水の落雁と」州浜の蕨。四天王寺の河藤製です。たまには、プロのお菓子も使ってみたくて。
薄茶のお茶碗は私の大好きな三椀。赤膚二楽さんの奈良絵、、加藤春二さんの柳、今は無き中宮寺釜の刷毛目に梅の図。
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今回もい茶事ができて、幸せです。
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次回は3月25日(日)26日(月)、桜前線 釣釜正午の茶事の勉強会です。四畳半茶室でゆらりと揺れる釣り釜の心地よさ、桜に寄せる思いをゆったりとお楽しみください。会費16000円。ご参加申し込み受付中です。

11月26日27日塚口真庵茶事勉強会 炉開き・正午の茶事 レポート

2017年12月15日 02:34

もう12月になってしまいましたが、11月26日27日の塚口真庵茶事勉強会 炉開き・正午の茶事の覚書です。
やはり四畳半の炉の風情はいいですね。大きな炭で、煮えのついた釜から立ち上る湯気。釜の奏でる松風の音。ほっこり、心が解けてゆくようです。
主客の心が寄り添う、素敵な茶事でした。
初亭主役、初正客役をされるかたもあり、それぞれにたくさんの学びがあったことと思います。お客様方のさりげない心遣いがうれしい勉強会でした。

待合ではお茶や武道などを学ぶ人の心構えを説いた、守、破、離の文字が入った利休道歌の色紙をかけました。「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」

初入りの床には「松樹千年翠」大徳寺     の墨蹟。この禅語には「時人心不入」の対句があります。松の木はいつまでも美しい翠の色を見せてくれているのに、それを見る人はその美しさに気づかない。自然の美しさや豊かさに気づく心、感謝する心。茶人として自ら育んでゆきたい事柄です。

茶人の正月の11月、おめでたい道具組だけでなく、お茶の本を心に刻んでいただけるようにと、この日の茶事の世界を作っていました。さて、皆さんの心にとどいたでしょうか?

今回は大徳寺関連の物を3つ揃えました。強くメッセージを発したいものは重ねて使います。
初座の床の掛物は「松樹千年翠」大徳寺 孤逢庵 卓厳和尚、懐石料理の向付に鯛の昆布〆大徳寺納豆はさみ、濃茶の茶碗には、利休にもゆかりのある大徳寺呉器写しを。
茶ふぉうの祖 村田珠光が大徳寺の一休和尚と出会って、禅の精神性を支柱とした道としてもお茶が生まれることになります。武野紹鴎を経て利休に受け継がれ茶道が集大成されてゆきます。
今もなお当時と変わらぬ茶道が息づいていることに、驚きもあり、ありがたくもあり。
待合の語が強くイメージされます。守り尽くすと言うところが大事で、簡単に破ったものは(破る前より良くなれば意味はない)えてして意味のないことが多かったのでしょう。
11月の茶事につきものの,三べのお話、懐石やお菓子に柿と栗をどこかに使う話、千家を学ぶものは宗旦忌が炭までは銀杏を口にしないお話などもさせていただきました。

<懐石の献立>
向付  鯛昆布〆大徳寺納豆と山葵はさみ 寿海苔 三つ葉軸 加減醤油
          器―和青磁小菊文様
汁   亀甲海老芋 小豆。辛子
煮物椀 紅白真蒸 大黒しめじ 芽連想 ゆず=正法寺椀
焼物  鰆 酒師焼き  器=黄瀬戸扇面
強肴  法蓮草 蟹 薄焼き卵の和え物  器=赤絵 福の字
小吸物 松の実
八寸  からすみ  むかご松葉刺し
酒   貴仙寿 吉兆
湯斗  煎り米
香の物 沢庵 蕪 株の葉

主菓子  亥の子餅


塚口真庵 夕去りの茶事レポ 月よと兎の物語

2017年10月31日 20:58

忘れないうちに、9月24日25日に開催させていただきました塚口真庵茶事勉会の備忘録を。
夕方が去ってゆく時間に行う夕去り茶事は初座が陽で、明るい間に初炭と懐石。中立ちしていただいて、夕暮れの鐘で後座の後ご案内。席入りしていただくと陰の世界。床には掛物と手燭の蝋燭の灯り。点前座近くには短繋の灯り。
大好きな茶事です。

今年は中秋の名月は10月4日です。9月の終わりの茶事ですから、季節を楽しみたいと昨年と同じですが月見の趣向で。
今年は「月夜と兎の物語」の世界をご用意させていただきました。秋の風情を感じていただける道具組、なるべく道具は重ねないで、小さな茶室の中に大きな世界を作り出すのが茶事ではよいとされていますが、テーマになるものは重ねることでお客様の心にも茶事の進行とともに深く伝わってゆきます。
今回は月と兎が随所に登場しました。去年の月と兎とはなるべく違ったものをと、苦心惨憺。(*^-^*)

初座の床は花になりますので、印象的に。両日共に亭主役の方が美しく入れてくださいました猪
初炭の炭斗は、私の自慢の兎篭。久々の登場です。2日目の正客様の気転で、風炉中拝見の時に兎篭をご覧いただいて、「先にたずねなくてよかった」と。こんな主客のやり取りの機微も茶事の醍醐味です。

懐石は、出先の簡易台所ですので、あまり塚口では手の込んだ献立ができないのですが、去りは少し軽めにご用意しますので、ちょうどよかったかも。
向付  茶懐石で大好評だった〆鯖の梨巻き。白板昆布で撒いています。
汁   サツマイモ、合わせ味噌 粉山椒
煮物椀 名残の鱧と走りの松茸 菊花散らし
焼き物 秋鮭幽庵焼き
強肴  葡萄の和え物
八寸  煮アナゴ   枝豆  
お酒は茨城県の地酒  月の井 です。
主菓子はやっぱり楽しい兎饅頭に。水屋コースの皆さん、ほんとに楽しそうに作っていただきました。

日の暮れるのが、日一日早くなり、4時席入りの24日は中立で急きょ露地に蝋燭の灯りをご用意しました。

後座は、幻想的な雰囲気で、濃茶と続き薄になります。
床には、この勉強会のために和尚様に書いていただいたお軸を。表装が間に合ってよかった。
「話尽山雲海月情」

いつも後座では私のお茶話を聞いていただきますが、今回は大黒様と兎の物語、ウサギ年の私の今のお茶物語の二つをの話を皆さまに聞いていただきました。

月には兎がいるといわれます。旅人に姿を変えた大黒天のために焚火の中に身を投げた兎を大黒様は哀れに思い、月の世界に送ったといわれています。ここにお茶の本質を見出すことができます。なかなか兎のようにはできませんが、人のために心を尽くすというところにを抜きにはお茶は成立しないなあと。亭主、裏方、客ともに。

月はそれぞれの求めるお茶の道の先にあるものにたとえられます。私も一年一年、毎月毎月、道を先にぬ向かって歩んでいますが、時として立止まったり、後退することも。
時により、気付くこと、納得すること、パッと世界が開けることも。
今回の御軸の禅語は、山に雲がたなびく様、海に映った美しい月の姿に、全ての自然や宇宙の心を、腹蔵なく全てをここに集う人たちでで語り尽くそうではないかということかと。禅語でありますので、語りつくすことは悟りや仏教の教えなどで、高い修行を積のれた方々のさわやかな時空を感じます。
夕去りの茶事の後座、灯火の元で、私たちも語ろうではありませんか。悟りには程遠い凡人ではありますが、私も茶の道を歩む中でいくつか語るに足る話もできるのではないかと。この禅語はの御軸は昔からほしかったものではありますが、ようやくこの年になって、私がかけても、もう許されるのではないかと自分で考えてののこと。

で、語りたいことは、茶事は社会の縮図であるということ。目指すべき社会の在り方を茶事の中で求めているのではないかと。豊かな時間が流れ、真・善・美を求める中で素晴らしい人格が形成され、周りの人々に心をつくす。平和で和やかで、幸せな社会。なので、茶事が終わったらそれで終わりではなく、異空間ともいえる茶事の世界から現実の世界に戻った時にこそ、茶人としての役割が始まると思います。
そして、このような心を育てるのには、茶事の中だけでなく日ごろの稽古も大事だなあと。稽古嫌いな私が最近、稽古の大事さに改めて気が付きました。自身を律して、人を思う心は稽古を積むことで自然に身についてゆくように思います。

お茶はどこから入っても楽しいですし、亭主をしなければ点前も稽古もすることもないかなとも思いますが、稽古をして、ハッとわかることも多いですね。
今回、お茶話を考えるにあたって、たぶん初めて稽古の大事さをお話ししたように思います。(*^-^*) 

今回初参加の方がお二人いらして、はじめての方がいらっしゃるとお茶の魅力を少しでも多くお伝えしたいと、熱く語ってしまう私です。話が多くて亭主役の方野お邪魔虫かもです。ちょっと反省。

写真は二日間のが混ざっています。お楽しみいただければ幸いです。
次回の茶事勉強会は10月22日、低い椅子席のじないまち峯風庵での名残・正午の茶事。11月26日27日の四畳半茶室塚口真庵 炉開きの喜び・正午の茶事です・
お茶が初めての方、茶事が初めての方も大歓迎です。ぜひご参加くださいませ


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