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第14回 9月の汎庵講座 夕去りの茶事レポート

2011年09月28日 02:47

2011年9月汎庵茶事講座
夕去りの茶事、なんとも風雅な響き。
夕方少し早い時間にお席入りしていただき、初炭と懐石を。後座は、短檠と手燭の蝋燭の灯りで、濃茶と薄茶。続き薄にして、余り遅い時間にならないように、茶事を終えます。
夕去りの茶事は、季節はいつでも良いのですが、私は月見の頃が一番ふさわしいように思います。
月の出を待ちながら、親しい人とともに過ごし、人生時間を刻んでゆく。
9月の十五夜の少し前の開催でしたが、その時期には、夕去りの茶事が終わる頃にきれいなお月様がぽっかり空に浮かびます。
今回の講話のテーマは「指月~~日々の行」でした。
待合の掛け物は、寒山指月図。「掉棒打月」の無門関の中の語が書かれています。
月が欲しいと、棒をふるってとろうとしても取れませんよ。禅の境地は、簡単には得られません。日々、行を積むことが大事ですよと言う禅の教えですが、お茶もまた然り。月はお茶の道の先にあるもの。指は日々の稽古であったり、さまざまな学びであったり、師の教えであったりします。指の先に、月が見えたら、その指はもう不要です。指だけを見ていては大事なものを見失います。指の先の月を見て欲しいと思います。
月は人それぞれ。私も、できればそれぞれの方の月のありかを指させるようにと勤めていますが、講座では、毎回決まった方が来てくださるとは限らないし、それぞれの方の指になるのは本当に難しいことです。
でも、今回は、ほの暗い蝋燭の灯りの中で、一人一人の方が、自分とお茶のかかわりについて、ボツボツと語ってくださったので、私にもいろんなことが見えました。皆さんと気持ちが急速に近付いた、そんな気がしました。
お茶の意味するところを判ろうとしてくださる方が増えて、真髄に触れて泪を流してくださる方もいらして、私適には、かなり感動的な茶事講座になりました。
これからも、汎庵茶事講座での出会いを大切にしてゆきたいと思います。
2011年9月汎庵茶事講座


さてさて、汎庵茶事講座は10時から水屋コースの方々が集まって、懐石料理とお菓子作りの実習からはじまります。料理は普段全然しません、りんごの皮も剥けません~~など、と言ってる方もいますが、全然大丈夫、そのうち慣れます。(笑)
2011年9月汎庵茶事講座

おもてなしの心は行(修行などといった難しいことではなく、まずは実際に体を使って行なうこと。頭で考えているだけでは判らないこともたくさんあります。)から生まれます。お茶の準備もそうですが、さらに懐石やお菓子を心を込めて手作りすることによって、お茶のおもてなしの心が深まり、茶事の主目的である濃茶に深みを増します。
茶事の準備は、限られた時間の中で、自身の持つ力を存分に発揮し、さらに能力を高める鍛錬でもあります。
お客様コースの方が到着される前には、水屋の方は懐石のセッティング、半東の方は、火入れの炭や下火をいこしたり、打ち水をしたり、くみ出しの用意をしたり、大忙しです。
茶事の裏方は、亭主のために自分を無にして働きます。人のために働くということはとても尊いことですし、自身の人間性にも磨きがかかります。実際の人生でも、そのような場面に遭遇することがあることでしょうが、茶事の中で、めったに出来ない学びのチャンスがあるのです。
亭主役の方は、水屋の方々に支えられ、お客様をおもてなしをします。水屋の方への感謝も忘れずに。
お客様は、できれば自身で亭主をする、水屋をするという経験をつんでお客になられると、いいお客さんになることが出来ます。お客はただご飯を食べてお茶を飲むというのではなく、亭主の心に触れ、感謝の念を持って、一緒に茶事の一期一会を創造してゆくのが客の本分です。
こんな茶事の本質に触れていただけるよう、汎庵茶事講座はなるべく本番の茶事に近い形で開催しています。心を育てる、考える力・感じる力を育むという、現代の教育から抜け落ちてしまったところを体得できるのがお茶の魅力でもあります。茶道の修道性のみならず、茶事講座は楽しさも一杯ですので、目一杯楽しんでいただきたいとも思っています。

午後の茶事がはじまります。
なんと言っても、日本庭園や露地の四季折々の風情は絶品。茶事への期待が高まります。
腰掛待合で、しばし時を過ごすと、亭主の迎えつけが。蹲を使って席入り。
2011年9月汎庵茶事講座

2011年9月汎庵茶事講座

2011年9月汎庵茶事講座

夕去りの茶事なので、初座が陰陽の陽になり、床には花が入れられています。
月見の宴をイメージして、鼓に花を入れました。挫折した鼓の稽古。いま私の鼓は花入れとして大活躍。(苦笑)
2011年9月汎庵茶事講座

亭主はお客様一人一人と挨拶を交わし、まだ夕食には少し時間が早いので、風炉の時期ですが初炭手前から始めます。夕去りは続き薄となり、後炭は略しますので、ここで風炉中拝見と水次があります。
2011年9月汎庵茶事講座

香合はバリ島で見つけた兎のこけしを、東急ハンズに持っていって胴の部分をカットしてもらい、香を入れる部分を彫刻刀で私が掘りました。お耳がぴんと立った兎は席中で、かなり存在感がありました。可愛い~~。
2011年9月汎庵茶事講座


いよいよ、水屋コース力作の懐石料理。
秋到来で、向付けは〆秋刀魚の梨卸し和え。汁は赤だしに焼き茄子。
2011年9月汎庵茶事講座

2011年9月汎庵茶事講座

煮物椀は菊花豆腐、焼き物は秋鮭の幽庵焼、強肴は揚げ茄子と枝豆の胡麻酢和え。
2011年9月汎庵茶事講座

2011年9月汎庵茶事講座

懐石料理は料理屋さんの料理と違って、おいしすぎないこと。全部食べ終わって最後の湯斗をいただいたときに、ああ、美味しかったなあと心が喜ぶような料理をと、師から受け継いでいます。
主菓子は、月見団子です。これは、腰のある団子を作るのが、なかなか手ごわい。
2011年9月汎庵茶事講座

中立のあとは、席中を改めます。床には軸を掛け、手燭を置きます。
水指と茶入れを飾り、短檠に灯を点します。
鐘鉦を打って、準備が整ったことを知らせます。
床は円想です。待合の指月図には月は描かれていませんでしたので、後座で月を見つけていただければとの思いです。
2011年9月汎庵茶事講座

厳粛に濃茶が練られ、無言の時間に心が寂とします。
蝋燭の灯りは、なぜか人の気持ちを寄り添わせてくれます。
2011年9月汎庵茶事講座

濃茶の茶碗は、萩焼。萩の花からの連想で秋の季節が香ります。この茶碗は、師匠が遊心と言う銘をつけて形見分けに下さったもの。私の月を指差してくださったものです。
お茶で遊ぶというのは、簡単ではない。見事、茶の道をはずさずに遊んでみなさいと。
今の私のお茶を師匠に見ていただきたいと思うものの、叶わぬことです。
薄茶のためには、甲府から取り寄せた銘菓「月の雫」と私が作った兎の落雁をご用意しました。
2011年9月汎庵茶事講座

講座の初日は、のっぴきならない理由で亭主役の方が参加できなくなり、急遽、私が亭主をしながら茶事講座を進めました。
毎回、皆さまに楽しんでいただこうと、道具組をしておもてなしの世界を作っていますが,この日は、参加者から、道具の意味がようやくわかったとおっしゃっていただきました。道具は亭主の分身です。道具が亭主の人生や心のありようなどを語りますので、道具を通じても主客の心の交流ができ、これがまた茶事の醍醐味でもあります。
じないまち峯風庵では、私が亭主を勤めるおもてなしの茶事も開催しておりますので、ぜひ、稽古茶事や勉強会だけではなく、本当の茶事もお楽しみください。
汎庵茶事講座は10月は名残・正午の茶事の勉強会です。是非こちらにもお出ましください。茶事が始めての方も大歓迎です。

最後に、久しぶりに万博太陽の塔の写真を撮ったので、ご紹介。万博公園に行くモノレールは、なんとも大阪らしい楽しい列車が走っています。遠方の方も、旅行がてら是非大阪へいらしてください。お待ちしています。
2011年9月汎庵茶事講座

2011年9月汎庵茶事講座
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