2月8日 じないまち物語・茶飯釜粥の茶事レポ

2015年02月11日 15:05

じないまちでは、雪が舞っています。きれいです。
先日のじないまち物語・茶飯釜粥の茶事で使った茶杓の銘が「舞」。
時々、ご一緒に茶禅一味の会をさせていただく、臨済宗の人間禅(在家にあって禅の修行をされている方々の団体です)の総裁老師、春澤老師が道場の竹を削って作ってくださったもの。
茶事の中で、一つ一つの道具が、一期一会の時空を広げ、創造的な世界を作ってくれます。舞という銘は、動きがあって、それぞれのお客様の心の中にイメージが広がってゆき、いろいろに使うことができます。鶴が舞う、風が舞う、花が舞う、枯葉が舞う・・・。
茶飯釜で粥を煮る、粥を何度も取り分ける。その動きに、心が楽しく舞いました。
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茶飯釜には「飢来飯、渇来茶」の文字が刻まれています。お腹が空いた方にはどなたにもご飯を差し上げましょう。のどが渇いた方があればどなたにもお茶を差し上げましょう。習いのない砕けた茶事ではありますが、お茶の心が、しっかり込められています。


当日のお客様の中には、訳があってご自身の流派のお茶の稽古が年間数えるほどしかできないとおっしゃる方、お仕事が忙しくなって通い稽古をやめてしまったかたもいらっしゃいました。
茶事が終わって最後のご挨拶のときに、お茶の点前稽古というのは、大きくて深いお茶の世界からみたら、たぶん10%くらいのことなんでしょう。点前稽古のことばかりを思っていましたが、いろいろな形でお茶を求めてゆきたいというお言葉をいただいて、とても、うれしかったです。
私のおもてなしの茶事や、茶事の勉強会、茶懐石料理教室、ちょっと大人のお茶稽古では、後の90%のお茶の神髄に一人でも多くの方に出会っていただけるように、お茶の先生という立場ではなく、茶道の啓蒙者として、これからも老体に鞭打って、頑張ってゆきたいなと、改めても思えた茶事でした。

雨が降っていましたが、今回も気合いで雨にやんでもらい、土間にしつらえていた蹲や腰掛待合を、大急ぎでアシスタントのRちゃんに露地に運んでもらい、なんとか間に合って、露地の風情を楽しんでもらって、外の蹲を使って席入りしていただきました。

床には、じないまち物語の茶事では、ある理由があって、いつも掛ける円想の墨蹟と、香合を飾っています。
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初炭の後の炭がしっかり炎を出すまで火吹き竹で拭いて、お米を入れた茶飯釜を炉にかけます。強火で短時間で煮ることで美味しい粥ができます。
釜が吹くまで、香合をご覧いただきました。今回は、タヌキの香合です。じないまちの冬のお話として、今でもまことしやかに語りつかれている、キツネや狸が人を化かすお話をご紹介しました。江戸・明治の町並みが数多く残るじないまちでは、なぜかこんな話が納得ができてしまします。金剛おろしや樹氷、古民家の底冷えなど、じないまちの冬の暮らしのあれこれを語りながらの茶事。

寒鰤と辛み大根の向付と、時代伊万里のなます皿の先付け、飯碗の蓋をセットしたお膳を持ち出して、まずは一献。先付に粥にあう珍味や漬け物を盛って出すのは私流。いつでも召し上がっていただけるようにしています。早くも、もろこが出ていたので甘露煮に。
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侘びた茶飯釜粥の茶事にふさわしいかなと、侘び茶人の〆貫と手取り釜のお話をと、お酒は手取川を取り寄せて、燗をつけてお出ししました。
粥は、正客様からお詰様まで、手送りで送ります。バケツリレーみたいです。(*^_^*)
先ずは、煮物椀替わりの重湯。お米の香とやさしいお湯に、みなさん、大きな声で美味しいと。粥の茶事は亭主も膳を持ち出して毒見をしながらすすめますので、私も思わずにっこりです。
続いて三分粥、 五分粥、全粥と時間の経過によって釜の中で変化する粥と粥に合うお料理あれこれを召し上がっていただきました。
若牛蒡と独活と肉板のきんぴら、明日葉入りの卵焼きとデビラカレイの焼き物、釜をあげた後には、蕪とひろうすと海老の鍋をかけました。
八寸は、酒粕漬けの貝柱を軽くあぶったものと、フキノトウの味噌はさみの衣揚げです。

手作りの雪餅(きんとん)の主菓子をお出しして、仲立ち。
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後座の床には、蹲の花入れに、柳と山茶花。黒門で求めたちょっと変わった柳。名前がどうしても出てきません。(-_-;)椿が用意できなかったのですが、赤い山茶花が可愛くて。
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濃茶は、たっぷりとしっかりとろみがある昔風の濃茶です。頭の中が真っ白になるまで、しっかり練らせていただきました。

後炭では、火吹き竹でフーフー拭きましたので、炭の経つのが早くて、胴炭を割って輪胴を注ぎました。

薄茶は、真っ白な波千鳥の波佐見焼の水指にプラチナ箔の棗、干菓子は雪だるま(河藤製)と仙台の銘菓・霜ばしら。茶碗は、萩の筒茶碗、今はもうない中宮寺窯の雪のような刷毛目の中に梅の花、そして、葵窯の芽を吹く前の柳です。
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一年で一番寒い季節、でも、命芽吹く春は過たずやってくる。そんな気分の茶事でした。

次回は3月8日(日)に、今季最後の粥の茶事をさせていただきたいと思っています。季節も移ろい、今回とはまた違った春めいたおもてなしができるかなと思います。
ぜひ、お付き合いくださいませ。お客様5人様で開催させていただきます。会費は16000円です。




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