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じないまち峯風庵 超実践朝茶事の勉強会レポート

2017年08月12日 13:53

7月30日に開催しました、じないまち峯風庵茶事塾(勉強会)の朝茶事のレポートが遅くなりました。
思い入れのある茶事はなかなか文章にはしにくいものですね。
「野分の翌朝」の朝茶事の世界をご用意しました。
南の海で、夏の終わりから秋にかけて発生する台風。日本では野分という風流な名前で呼ばれていました。大変な災害をもたらす台風ではありますが、海の水をでんぐり返して温度を下げる役割があって、避けては通れない自然現象です。人間の文明がこんなにも進んでも、どうすることもできない現状に愕然としたりします。心の痛みを抱えながらの茶事でした。
写真は目が見えにくいので順不同で掲載します。ごめんなさい。

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瓦


<待合の掛物は今年2月に東京の茶事に招かれたときに、雷門に立ち寄って購入した風神の団扇。火入れには雷神が描かれています。昨夜吹き荒れた大風や雨、雷を思い起こしていただきます。
汲み出しは冷たいレモン水。半東役が気を利かせて、きっとのどが渇いていらっしゃると思うのでいつもより多めにお出ししましたと。人を思うことから始まるお茶。ようやく、こんなメンバーさんが育ってきました。

腰掛待合に移っていただき迎え付け。席入りしていただいた、床には「閑座聴松風」の墨蹟。
台風で被害にあった地域、ケガをされたり命を落とされた方もあるかもしれない台風の翌朝に、茶人はのんきでいいねと言われそうですが。レポートを最後まで読んでいただいたら、この語を掛けた意図がわかっていただけるかと。台風風が通り過ぎた後は、何故か異様なまでにシンと静まり返っているさまも同時に表していますが。

さて、より実践力が身につくようにと、初めての試み、前日の茶事の準備も皆さんに体験していただく今回の茶事勉強会、しかも大阪のはずれの富田林じないまちの朝茶事、ご参加してくださる方があるのかしらとちょっと心配していました。でも、前日準備には7名が参加してくださって、黒門市場の買い出し、露地や茶室の掃除など、喜々として目を輝かせて、きびきびと動いてくださいました。
黒門市場では、どこで何をどれだけ購入するかがポイントですが、観光客の波にもまれて皆さん迷子に。(-_-;) 何とか希望の物をそろとができて、みんなで黒門ランチ。私の一押しの日本橋ビアホールで豚肉100%野ハンバーグやショウガ焼き。ご飯は小ビールに替えることができるので、私はビールに。暑くてご飯がのどを通らないので。(-_-;) みんなでいただくランチは美味しかった!

富田林の峯風庵に帰って、まずは露地の掃除。草を抜いて、木の葉をきれいに拾って、蹲を塩で磨いて、蹲の下の玉石を全部バケツにあげてきれいに洗うことも。木の葉一枚づつ洗うという方もありますが、私は、たっぷりの水を撒いて汚れを落として、蜘蛛の巣のチェック、枯れた葉っぱは丁寧に一枚ずつ切り取ります。腰掛待合は、しっかり二度拭き。翌朝、もう一度拭き清めます。
茶室の掃除は、まずははたきをかけ、掃除機、次にからぶき、そして最後にもう一度、掃除機。
道具を出して使いやすいようにセッティング。必要な備品の確認も。
懐石の下ごしらえもしておきます。最期に炭を洗って完了です。

翌朝は朝一番の電車で駆けつけてくださったり、じないまちのゲストハウスに泊まってくださったりで、水屋は早い方で6時には峯風庵到着。
いくら朝茶事とはいえ、前日にしてしまってはいけないこともありますので、朝から、みなさん気合十分。半東役は機転を利かせて亭主を助けますが、決してしてはいけないことがあります。茶入に濃茶を入れてはいけません。その日のお客様にどのような濃茶をお出しするのかは亭主の最大の役目。裏千家は茶入に入れたお茶を全部茶碗に入れますので、その量は亭主にしか決められません。せっかく入れていただいたものをまた出すのは気が引けますので、半東をされるときには、ぜひ、覚えておいていただきたいことです。

朝茶事は涼しさのおもてなしが重要ですので、露地の戸や簾にも水を打、玄関や露地にはいつもよりたっぷりの水を打ちます。気化熱で涼しくなります。

じないまちの峯風庵の茶室は私のオリジナルの箱火鉢を使った低い椅子席の茶室。点前が少し子tなりますので、私が亭主をしながら進行してゆきます。

初座では風炉ですが、炭点前が先になります。朝を告げる鶏の香合を使いました。
懐石は朝ご飯を差し上げますので、生物は使いませんし、焼き物は省略します。その代り香の物をたっぷりと。露うちは清々しく多めに。お酒は酒飲みのお酒として知られる高知の「酔鯨」です。大風の海で大きな鯨も波にもまれているのかなあとふと思ったものだから・・・。
膳の向うに付けた黒文字はお菓子は腰掛待合でお出ししますという印です。今回は、席入りが8時15分でしたので、外はもう暑くなっていましたのでクーラーの効いた茶室でお出しましたが、腰掛けでの練習をしました。お菓子は、南の海で発生する台風にちなんでトロピカルフルーツが入った「南海」という銘のお菓子を作りました。

席を改め、床には花を。ご参加のメンバーさんから、これは今日参加した人だけの目にとどめておきたいと言っていただいたので
すが、茶道の啓発活動をライフワークにしている私です。文章や写真で紹介しても、その場に居合わせた楽しみや感動や気づきなどは十分の一も表せないのですが、単に遊びで終わらない、こんなお茶もあることを少しでも多くの方にメッセージとしてお届けしたいと。亭主しながらなのでほとんど写真も撮れていないことですし、アップさせていただきます。この花にも多くの思いを込めました。
峯風庵の屋根から落ちた明治時代の割れ瓦を2枚組み合わせて、風雨でなぎ倒された草花が、また立ち上がろうとする姿を映しました。う~~ん、やっぱ路写真では心までは伝わりませんね。

茶入は海上がりの安南です。いつの世にか海賊船か台風によって海に沈んだ船から現代になって引き上げられた小壺を修復して、象牙の蓋を作り、仕服を着せたもの。濃茶の茶碗は、高麗茶碗を2つ用意しました。一つはお客役の方に、欠けたところを漆で継いだ御本です。もう一つは水屋コースのかたのために、ヒビやシミがたくさん見られる雨漏手の茶碗です。
うまくは表現できないのだけれど、心理学の深層心理、いろんな宗教の根本は皆同じ宇宙意思としてつながっている。いつかどこかで何かが壊れることがあっても、皆つながっていて、そのまんま受け入れる、抱きしめる、そんなことで修復がなされてゆき、宇宙も地球も、社会も人も救われてゆくのではないかと。
静かに座って釜の煮えの音を聴きながら、茶人は真・善・美を思い、何事にも動じない心をはぐくんでるのではないかと思います。いざ、何かあっても、慌てず、騒がず、隣人に手を差し伸べることができる、そんな茶人に、私はなりたい。(宮沢賢治さんのパクリみたいやなあ)

野分の茶事は、10年ほど前に「野分」という銘のついた茶杓を手に入れたことで、何度かさせてもらいました。最初は「野分のまたの日・・・・いとおかし」と清少納言が書き残している野分の後の風情も又風流というような世界でしたが、回を重ねるうちに何かと見えてくるものがあります。この茶事も二度と同じ茶事はできないことでしょう。お付き合いいただいた皆様ありがとうございました。

そうそう、ご参加いただいた方の中で、台風一過は、台風一家だとおもっていたと。雨戸を釘で打ち付けて、台風が通り過ぎるのを待ちながら、一家で身を寄せて夜を過ごした思い出は、子供心にはなんだかワクワクするような暖かいもののようでした。台風一家、面白いですね。茶人には臨機応変の対応やユーモアも必要です。(^'^)

これから、まだまだ台風がやってきます。どうか災害が最小で済むように、そして、皆さんご無事でと神に祈りたい気分になりましたので、薄茶でお出しした煙草盆の中には鎮守の森と鳥居が描かれた火入を仕込んでおきました。

はじめての超実践的な茶事の勉強会、みんなで助け合いながら、楽しく開催できました。次回は10月22日の日曜に開催。前日土曜の茶事準備にはお客コースの方もご参加いただけます。名残・正午の茶事です。会費は13000円(前日準備指導含む)です。普段ではめったにできないことをいっぱいしていただけます。


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