7月6日 じないまち物語・夕去りの茶事

2014年07月14日 18:45

6日に開催させていただきました、夕去りの茶事。
後座の蝋燭と短栔の灯りが、うまく撮影できていませんが、お客様のお席入りの前に、慌てて撮ったものです。
はぜの実の油で手作りされた蝋燭は、煙も少ないし、蝋もたれません。なにより、その燈火の美しいこと。峯風庵の茶室は八畳なので、手燭1本と短栔の灯りだけでは少し暗いので、もう一本、足しています。短栔の灯芯は9本にしています。
DSC01018_convert_20140714220353.jpg

私は、夕去りの茶事が一番好きです。夕方が去ってゆく時間って、なんか、いいですね。
三谷幸喜監督の映画で、ザ・マジックアワーという作品がありますが、マジックアワーとは、日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」を指すとこのと。その時間には、思いがかなう奇跡が起こる・・・らしい。

明るい間に、炭手前と懐石をすませて、露地に出たころに、ザ・マジックアワーになれば一番、素敵。
後座のお茶は幻想的な蝋燭の灯りで。お茶の楽しみが凝縮された、夕去りの茶事。
実は、一人でも多くの方に、じないまちの町の風情もご覧いただきたくて。茶事が始まるまでの午後に明るいじないまちをご覧いただき、茶事が終わって、外にでれば、日本の道百選に選ばれている、城ノ門筋にぼんやりともった灯篭の灯りや、どこか異次元に迷い込んだような不思議な夜のじないまちの気配を感じていただければ・・・。と、時々、私が亭主をさせていただき、夕去りの茶事を開催させていただいています。

今回は、何処か懐かしい小さなまちの小さな夏祭り「恋文薬師さんの大祭」もご一緒に楽しんでいただきたいと。
あいにくの雨で、じないまちの恋文薬師さんの縁日はお楽しみいただけなかったのですが、席中でちょっとお楽しみ。
薄茶の干菓子は、金魚すくい。お茶目なお客様が、ポイですくってと取るのですか? って。ポイは不器用な私ががんばって造りました。茶事が終わってから、うちのアシスタントと水屋の助っ人に入っていただいた方にお茶を点てましたが、アシスタントのRちゃんは、迷わず、ポイで干菓子を懐紙にとってました。( ^)o(^ )
DSC00997_convert_20140714215630.jpg


待合の掛物は「地蔵会や 近道をゆく 祭り客」朝顔の絵ともに書かれた文字。由来はよくわからない色紙ですが、なんとなく、じないまちの気分です。
DSC01009_convert_20140714220249.jpg

雨のため、急きょ、土間に蹲を作ってのお席入り。露地が狭いので、傘はたいへんかと。

夕去りの茶事は、初座が陽で、床には花を飾ります。花が印象的にと、いつも、考え込みますが、本日は、元気な縞葦が手に入ったので、のびやかな花を。性格がざっくばらんなので、繊細な花は、どうもよういれません。本日も、なるべく自然にきれいすぎないように。私なりの花の姿です。
白のむくげのこぎり草、可憐でひそやかなシオン、花火のような赤い花は、突き抜けにんどう。
DSC00999_convert_20140714215751.jpg


時代の箱火鉢を炉や風炉の代わりにつかっているので灰はいつも気分で、いろいろなやり方ですが、本日は丸灰のように。
連客様お二人の到着が遅くて席入りが20分伸びてしまったので、下火の様子やご飯の炊きあがりに、少し心が乱れましたが、気を取り直してまずは鏡の前でニッコリ笑ってみる。壊れていた気持ちが修復できました。
茶事が初めての方もおひとり、いらしてくださいましたので、茶事の醍醐味をお伝え出るようにと気心配り。
お正客様のおかげで、席中お話が弾んで、楽しい時間が流れました。

じないまちが伝えてきた生活文化、復活した昔の花嫁行列や模擬結婚式、江戸の風物詩の軒偲のお話など、じないまちの素敵もご紹介させていただきました。
じないまち物語の茶事は稽古茶事ではなく本番の茶事ですので、写真は席中では撮っていませんが、床と水屋で撮影した写真を少し紹介しますね。

懐石料理は、水屋の方からは手間かかる献立やなあ~~って、あきれられましたが、私の好きな暑い夏、寒い冬の茶事では、俄然。懐石にも力が入ります。
向付は長芋羹に生ウニ。時代ガラスの器です。汁は揚げ茄子を油抜きしてから半割汁で煮たもの。
DSC01001_convert_20140714215716.jpg

煮物椀は、透明で涼しげに見えるわらび餅。中には海老と枝豆を入れました。どんこ椎茸を少し濃いめの味付けで煮て添えています。
DSC01002_convert_20140714215824.jpg

焼き物は鮎ですが、懐石では後に残るものは出しませんので、中骨を外して焼くか、三枚卸しにするかですが。今回は焼いた鮎をじっくり蒸しあげて、骨まで召し上がっていただけるようにしてみました。鮎蓼もしっかりすり鉢ですって蓼酢を作りました。ピリッとした蓼酢は、鮎の美味しさを挽きたてます。
DSC01003_convert_20140714215916.jpg

強肴は、私の大好物の茄子と枝豆の胡麻酢和え。

小吸い物は、とうもろこし。

八寸はサヨリの干物の酒焼きと出汁浸しトマト。
DSC01004_convert_20140714215952.jpg

香の物は、いつもの黒門市場いせ屋さんの新漬たくわんとウリの奈良漬け。そして、小さなきゅうりを見つけたので塩麹漬にして丸まま盛り付けました。
DSC01005_convert_20140714220031.jpg

お茶はもともと男性がしていたものですから、ちまちましない、華美にはしらない、ざっくりおおぶり・・・って感じが、私は好きです。
お酒もその時々の茶事にふさわしいものをご用意していますが、本日は山形県の地酒「あら玉」を取り寄せました。年、月、日などにかかる枕詞です。一年に一回めぐってきた祭りの日にもふさわしいかと。
主菓子は葛を使った「夏ごろも」。もちろん手作りです。形はあんまりうまくできていませんが、なかなかのお味。青ゆずをたっぷり効かせました。
DSC01006_convert_20140714220108.jpg


後座のご案内は、鐘鉦で。鐘の音もじないまちに似合うので、夕去りの茶事が、おすすめです。 蝋燭と短ケイの灯りで、気持ちが落ち着いて、しっかり濃茶を練ることができました。

時代ガラスの水指(実は明治のころのワインクーラーです)茶入も少し時代のある唐津です。蝋燭の灯りの中では、白っぽい唐津がいい仕事をしてくれます。濃茶が美味しいとおっしゃっていただいたので、ひと安心。
続薄にして、かろやかに。じないまちの下を流れている石川もきれいになって、鮎が戻ってきたのが、ちょっと自慢で、川の流れの文様のお茶椀を主茶碗に。そして、ちょっと遊んで、昔のかき氷の器を2碗持ち出しました。

蝋燭の灯りの中では、人間の素の部分が自然に出てくるようで、それぞれのお茶とのかかわりや抱負などもお話いただいて、楽しい時間があっという間に過ぎてゆきました。

お茶席は、その場にいた人だけにしかわからない世界。水屋の者に支えながら、亭主とお客様で作りあげてゆく世界。写真でも言葉でも伝わりません。
高価な道具などはご用意できませんが、心が晴れやかになる、幸せな気分になっていただける茶事は、なんとか、させていただくことができるかと。
ぜひ、お茶が初めてでも、茶事がはじめてでも、全然大丈夫ですので、ぜひ、峯風庵の茶事をお楽しみにいらしてください。
本日初参加の方も、終始にこやかに、同席のみなさんにも助けていただきながら、楽しく過ごせたようです。晴れやかなお顔で帰途につかれました。 よかった。(*^_^*)

次回の夕去りの茶事は、8月30日(土)じないまち物語・夏 蝋燭の灯がゆらめく1000基以上の燈路が、じないまち一帯に飾られる「じないまち燈路」、行く夏を惜しむ晩夏の行事です。峯風庵周辺もメイン会場の一つになっていて、展望広場や前の道路にたくさんの灯りが、とても美しいです。
5~6名様のお客様をお迎えしたいと願っています。遠方の方も、この機会にじないまちへ、そして、峯風庵の夕去りの茶事をお楽しみいただければ嬉しいです。午後4時半お席入り、終了は午後8時。じないまち燈路は午後9時までお楽しみいただけます。
お茶をされていない方や、茶事が初めての方も大丈夫、人として普通にふるまっていただければ十分です。茶事が初めての方には、茶事で必要なものもこちらですべてご用意します。
じないまち燈路の詳細はこちらをご覧ください。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~heritage/jinaimachi-toro.html
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://wa202020.blog64.fc2.com/tb.php/118-2df11dde
    この記事へのトラックバック


    最新記事