峯風庵茶事塾in塚口真庵 月夜の遠回り・夕去りの茶事レポ

2014年10月09日 13:23

9月の塚口真庵茶事塾「月夜の遠回り・夕去りの茶事」が終わって、ご参加の皆様から続々と届くお礼メールが、うれしくて・・・。
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私は単に順番をなぞらえる稽古のための稽古茶事はしていませんので、毎回茶事の世界をご用意して、ご参加のみなさんをお迎えしています。
夕方が去ってゆく時間に開催する夕去りの茶事。後座は蝋燭と短檠の灯りで幻想的な時空が広がります。茶事が終わって外に出ると露地の灯り、そして、空にはぽっかりお月様。この季節は、夕去りの茶事が一番素敵に感じていただけることでしょう。
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今年は、旧暦では10月2日が重陽の節句に当たりますので、月の中で薬草をついているウサギ、菊の花に真綿をかぶせ、月の光と夜露を吸わせ、その綿で体を清めて健康と長寿を願う行事にちなんで、生きるということ、生き抜くということのメッセージを送りました。(写真は二日間の茶事勉強会が混ざっています。順不同です。ご了承ください。)
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私の手元に来てから十数年、さてどのようにして使おうかしたと考えていた森繁久弥さんのお茶碗があります。八十歳になった時に京都の茜窯で作られた10碗のうちの一つです。箱には「今年 八十 明くる年 花開く」正宗という銘が。
森繁久弥さんは、私の高校の先輩にもあたり、若い人には何のこっちゃかもしれませんが、60年安保、70年安保闘争で命を落としてゆく後輩に「死ぬな 生きよ」とメッセージをくれた方です。
茶碗には、自筆で「老騎 伏○ 志開千色」とあります。○はちょっと読めません。(^_-)
年老いた侍が時を得て輝くさまが伺えます。人間どのように生きるのかということを教えてくれます。私も気が付けば60歳を超え、最近、疲れが取れないなあ、足腰痛いなあとか、弱音を吐くこともあるのですが、いえいえ、まだまだ、これから。したいこと、やるべきことが目の前に次々に出てきて、志があることを幸せに思います。
このお茶碗を生かすことができて、うれしい茶事になりました。

露地の打ち水も清々しく、亭主の迎え付けに、茶事が始まる期待と気持ちの良い緊張感。
夕去りは初座が陽になり、床には花が入れられています。
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花は亭主がいれます。不思議に花には亭主の人となりが現れます。初日の亭主は武道をされている男性で、大きく力強く入れられていました。(すみません、ちょっと触らせていただきましたが・・・)
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この日は、木賊をいれていただきました。木賊は物を磨くときに用いられます。きれいな月を木賊で磨いて、もっときれいな月が見たいいう人の思いをご紹介しましたが、後日お客様役の方から
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月は沈んだ太陽に照らされて、太陽の照らすがままに美しい天体です。
そして、神々しく神秘的にも映ります。

そんな月を木賊で磨いて、さらに美しくして行こうとは、
目指すものに歩みを止めない、日々修行ということなんですね。
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深く受け止めてくださったことがうれしくて。
お茶は真・善・美という人間が理想とする世界を体感し、一人一人が人としての生き方を探求してゆくもの。お茶室をでたら、終わりではないのです。
何も考えないでただ目の前のことで右往左往するのではなく、きちんと真理や真実を見極める。自分勝手な行動や損得などではなく、善を行動規範とする。心が震えるような、その中に神を見るような美しさに出会って、心を深める。真・善・美は、指月の先のお月様です。
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私は、ほら、あなたの月はあっちですよと指させる、お茶迷子さんや人生の迷子さんの水先案内人になれたらなあと思いながら、いつも茶道をしています。
辻説法見たいやなあと、思わぬこともないのですが。

懐石やお菓子には、重陽の節句らしい菊の楽しみを。お酒に浮かべた菊の花やお料理に、近亜素敵なメッセージをいただきました。
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重陽の節句にちなんだ菊尽くしの懐石。
菊の花びらを浮かべたお酒は、私たち客人が長生きできるようにご亭主が祈願くださっているようにも思え、
とても有り難く、美味しく、特別な思いで頂戴いたしました。

たくさんの季節の食材を手を尽くして、心を込めて調理下さったことが、うれしく、
丁寧に扱われた食物の命たちも幸せでいっぱいだったことでしょう。
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こんな主客のやりとりが、席中でもできるようになれば、ほんまにすばらしいですね。同席された皆様にも、お伝えしたくて、メールを抜粋させていただきました。Sさん、本当に素敵な茶事のお礼メール、ありがとうございました。
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月夜の遠回りとタイトルをつけての茶事の勉強会でしたが、お茶の道、人生の道は長いもの、焦らず、時には回り道もよいもんです。
80歳から花ひらくんですから。



まだまだ、今回の茶事の中にはたくさんメッセージを込めましたが、、やはり、文章で説明するよりは、一期一会の時空の中で感じ取っていただくのが一番です。
長くなりますので、今回のレぽはこのくらいで。
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最後になりましたが、私が師事していた師匠の近況を聞く機会がありました。
今年82歳、今も家元で後進の指導をなさっています。裏千家学園の一期生で、そのまま学園や研究科の指導を、づっと続けられています。
厳しい先生で、できの悪い私はよく叱られました。おかげ様で、今の私があります。
学園一期生の皆様で、先日茶会をされたそうです。師匠は交通事故にあい長く入院されていたようですが、この日に合わせて、ハードなリハビリを行って、当日は鵬雲斎大宗匠に、見事点前して濃茶と薄茶を差し上げたそうです。
80代の方々が、毅然として、お茶をされている姿は、素晴らしかったと。お話を聞いていて、目頭が熱くなりました。
63歳、まだまだひよっこです。
心新たに、私もお茶を続けます。
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