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12月22日23日 塚口真庵クリスマス夜咄の茶事勉強会レポ

2015年02月11日 14:33

21日22日の塚口真庵クリスマス夜咄の茶事の勉強会が終わり、休息中。
ご参加いただいた皆様から感動的な御礼メールが続々と届き、何度も読み返して、いつものことながら、開催させていただいてよかったなあと、疲れ切ったからだと心が癒されてゆくのを感じます。
いただいたメールの中に、こんなフレーズを見つけて、この日のこの時空のために、今回の茶事までの長い道のりがあったのだと、ありがたく、感慨もひとしお。Yさん、お気持ち、本当にありがとう。
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「露道を歩きながら、考え及ばないご準備を下さってのお迎えに感謝の気持ちでいっぱいで御座いました。
夜咄のお迎えで、ユラユラと揺れる和蝋燭の美しいこと…
塚口に参ります街中は
年末やクリスマスと重なりキラキラと光ってました。
同じ時代、同じ時間が流れてますのに、時や時代を超えた静寂の世界…空間」

クリスマスの茶事はもう何度もさせていただいていますが、今回は私の茶人としてのおもてなしの茶事でしかしたことがないことも、勉強会ではありますが真庵での夜咄はこれが最後になるかもしれないと、ご披露することに・・・。なにせ、夜咄は持ち込む道具が多いので、体力の限界がそろそろきています。

昔、昔のことになりますが、京都に堀宗凡さんという、お爺さんの茶人さんがおられました。裏千家の家元の花守をされていた方で、女装して祇園あたりを闊歩されている風変わりな茶人さんでした。
ご縁があって、ご自宅で一服お茶をいただくことになったのですが、それは宗凡さんのお茶の考え方を伝えてくださる個別セミナーのようなものでした。席入りしたときに、宗凡さんから、「そこのあなた、床の花をちょっと直してくれませんか?」まだそのころは、茶歴も浅く、びっくりしましたが、仰せのようにさせていただきました。はじめて会う私という人間が、たぶん、これで宗凡さんにはわかったのだと思います。
薄茶だけの茶会ではありましたが、薄茶を点て始められると、どこからともなくアベ・マリアの曲が流れてきました。宗凡さんの点前の一つ一つの動きと曲が素晴らしくシンクロして、大きな世界が広がり始めました。
宗教や哲学、そしてお茶も、求めるところはみな同じなのだと、その時、ふんわりりと心の中に降りてきました。
帰りには、宗凡さんが探求されてきた、宇宙の不思議や大和言葉の不思議、日本の童謡の中に隠された真理などを書きなぐった大量の資料を手渡され、あなたに託すと言われました。おぼろげに託されたことがわかるのですが、なかなか、私には難しいことです。

前置きが長くなりましたが、そんな日のことを思い出したりしながらのクリスマスの茶事でした。
茶事でご用意する道具は亭主の分身。生きてきた中で様々な出会いがあって、今ここにあります。
待合の掛物は、ハワイ大学でアメリカと日本の比較文化を教えていらしたS牧師さんに書いていただいたChristmasの文字。
煙草盆は杣家、火入れには馬の絵。汲み出しはヨーロッパでよく飲まれるナイトキャップのエッグノックを伊万里のワイングラスに入れてお出ししました。

21日は少し早目の4時20分のお席入り、22日はお昼に開催でしたが、夜咄の流れも理解していただこうと、露地には蝋燭の灯り、蹲には湯桶もご用意。腰掛待合には火鉢も用意しています。
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初入りの床には、「無事是貴人」の掛け軸に、手燭を添えて。
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水屋で煮えをつけた釜をかけて、少しでも暖かくと、前茶をさせていただきます。
夜咄は後炭を略しますので、初炭で水も継がせていただきました。
釜は、霰釜でしたので、釜を茶巾で清めるときには、トントンとたたきながら水を釜肌につけてゆきます。

続いて、懐石。
ガラスにジングルベルを彫りこんだ向付には、アボカドにスモークサーモンを巻いて山葵ドレッシング。アイスプラントを添えました。クリスマスカラーです。
汁は星の型で抜いた大根です。
煮物椀は、クリスマスプレゼントの箱の形の真蒸に三つ葉でリボンをかけました。添えた十字架は人参を切り出して作りました。
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焼き物は、ローストチキンに焼リンゴ。リースのように盛りつけてみました。
強肴は夜咄ですので、鍋仕立てに。大根おろしをたっぷり入れた雪鍋です。
八寸は、フランスのチーズにパンドカンパーニュ。お酒は赤ワインに変えました。ワインでの千鳥の杯にも一工夫。
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この趣向は後ほどのお茶話で・・・。
峯風庵の森です。
主菓子には、歓声があがりました。すべて和菓子で作ったホールのクリスマスケーキを持ち出して、切り分けてお出ししました。20年くらい茶事はしていますが、この和菓子のクリスマスケーキは、今年初めての試みでした。
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中立ちの露地には美しい蝋燭の灯り。
鐘鉦の音も、心に響きます。

後座の床には、黒い花入れに白い百合一輪。暗い茶室の中に白い花が浮かんで見えてくれるように・・・。聖母マリアに天使ガブリエルが受胎告知をするときに、マリアにささげた花が白い百合。マリアの象徴です。

水指は、少し変わった形のブルーの色のもので、作家さんがあなたなら使いこなしてくれるでしょうと、プレゼントしてくださったものです。
この水指のおかげで、今回のおもてなしの世界が完成しました。マリアの衣は清らかな水色です。頭から肩にかけては、これも清らかな白い布。
濃茶の茶碗は白萩にしました。
茶入は、これもいろいろな変遷があって、22日のお客様のおかげで私のもとに戻ってきたちょっと珍しい辰砂の釉薬で緑色を出した、明治のころの肩衝です。
濃茶がたつまでに、水屋でアベ・マリアの曲をかけました。
初日には、シューベルトのアベ・マリア、二日目はグノーのアベ・マリア。お正客役のイメージで選んでみました。
お茶の成立当時、海外との貿易で栄えた自治都市の堺では、南蛮人が闊歩し、教会もありました。利休は教会の荘厳な雰囲気をお茶の中に取り込もうとされたとのこと。当時の利休の気持ちに触れていただくための試みです。
人類の大きな歴史を刻むキリストの誕生、キリストが衆生の罪を一身に背負って十字架にかけられることを思えば、マリアの心はいかばかりか・・・。それにもまして、人類の未来を生み出すことになるマリアという存在が今年のクリスマスの茶事の主題でした。
お茶の作法や点前の中にもキリスト教の影響があります。袱紗のたたみ方は、聖杯の上にかけられた布のたたみ方に似ているとか。キリストの血に例えた赤ワインは、飲み回しがされるそうです。その前に聖杯をピュリフィケーターと呼ばれる白麻の布でふきますが、まさに茶巾でお茶碗をふく点前と同じ。今はワインの呑み回しをされることは少なくなって、キリストの体として配られるパンをワインにつけていただいたり、司祭様がワインにパンをつけて、信者さんの舌の上にのせるようになってきたそうです。
濃茶は、単なる飲み物ではなくて、自然界の恵みの象徴として、茶室の中に現出するもの・・・・という感覚でとらえています。なので、濃茶をいただくにふさわしい時空でのみ、私は濃茶を練ります。

茶事は単なる宴会ではなく、真・善・美を求めながら大きな世界を創造し、そこには宗教や哲学と同じように人の心をすくい、癒し、立ち上がる勇気と元気を見出すお手伝いを、そして、究極には、一人一人の幸せ、世界全部の幸せを生み出すことがお茶の果たす役割なんだと、そんなことを考えながら、勉強会であっても茶事をしています。
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何かを感じる・気づく、深く思う、人への思いやりの心が自然に動きになる、人のために尽くす、尽くすことの喜び・・・。

まあ、今日はちょっとテーマがテーマだけに、小難しいこと書いてますが、どなたにも、お茶一服どうぞ、なんとなくほっこりするねのお茶で、いいのですけどね。(^_-)
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レポは以下省略。言葉を連ねても、一期一会の感動はなかなか伝わりません。ぜひ、ご参加いただき、ご自身の目でみて、心で感じていただきたいです。

1月は茶事の勉強会はお休みです。2月には釣り釜で、茶飯釜の茶事の勉強会をします。「お腹がすいた方には、何方にもご飯をさしあげましょう。のどが渇いた方には何方にもお茶を差し上げましょう」という、心優しいお茶の世界をお楽しみください。

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