スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

四畳半茶室・真庵での開炉正午の茶事勉強会レポ

2015年12月07日 15:50

DSC02680_convert_20151207151400.jpg

月が替わって師走となりましたが、霜月11月は茶人の正月。炉を開き、山で半年寝かせた茶壺の口を切り、茶人の一年が始まります。今ではお茶の保存も容易になり、山で寝かせることはしなくなりましたので、私は稽古のための稽古茶はしないので、口切の茶事はしないことにしています。なので、11月は毎年、開炉の喜びの茶事です。今年は29日と30日に真庵の茶事勉強会として、炉開きをしました。
お茶の世界では、旧暦10月の亥の日に炉を開く風習があり、今年は11月19日。
中国から伝わった茶は風炉でしたが、囲炉裏から考案された炉は日本独自のもの。火をまじかに見ながらのお茶は、本当に心温まります。
炉を開く喜びを皆さまとご一緒に、ぜひ、風情ある四畳半茶室の真庵で開催させていただこうと、腕と膝の骨折を、この日に照準を合わせて治療を続けました。なんとか、皆さまに助けていただいて、開催できたことがとてもうれしいです。少し遅めの日程設定にしていて、幸いでした。
自身で茶事をするようになって、もう20年あまりになりますが、同じ炉開きでも、毎年、環境や自分の気持ちも変わります。今年は今年の開炉の世界をと、長くご参加いただいている方にもいつも新鮮な気持ちになっていただけるよう、心を込めて準備をしたつもりです。

DSC02749_convert_20151207151517.jpg

終了後には、早くも、ご参加のほとんどの方からメールや筆文字のお手紙をいただきました。勉強会でもあっても、ご参加の皆さまからの礼状での茶事への感想や思いがにじみ出た言葉が、私の一番の楽しみです。そのなかに、「おめでとうございます」の文字を見つけて、感慨深く、ありがたく・・・。茶事は簡単にはできませんし、簡単にしたら深みのある茶事にはなかなかならないもの。この日のために準備を進め、体調も整えて、無事、茶事の日を迎える。この日を迎えられたことをめでたいと、お客様はお包に「お祝い」と書かれることがありますが、開炉のめでたさとともに、茶事ができることの喜び、めでたさをかみしめています。
今年の秋にいいお出会いがあって、真摯に裏千家のお茶の道を歩んでいらっしゃるお姿に、感銘を受けました。半年ほどお休みをいただいていた真庵の茶事勉強会の復活、また、茶人の一年の始まりにふさわしい世界をと、裏千家の鵬雲斎大宗匠が提唱されておられる「一碗から、ピースフルネスを・・。」を茶事の中で表現できたらと思いました。フランスでの悲しいテロもあり、改めて、平和への願いを深く心に刻む茶事にと、願って。
(写真は二日間の物をランダムに紹介しています)

真庵の露地(和の庭とイングリッシュガーデンがミックスされた真庵オーナーさんが丹精込められた庭です)の木々も紅葉して、私たちを迎えてくれました。
待合の掛物は「和」の一文字。小さな地球儀も飾りました。汲み出しは若松文様、喜びに通じる「昆布茶」を用意しました。
腰掛待合に進んでいただき、迎付け、蹲を使ってお席入り。

DSC02683_convert_20151207160114.jpg


初座の床には、「萬山寿色」、東大寺の清水公庸和尚の墨跡です。10年前に50歳の若さでこの世を去ってしまわれたのが残念です。のびやかに、力強く、すがすがしいお筆です。この日のためにと、今年の夏に求めていたものです。お茶の道具は自分のためではなく、お客様のために整えます。山々が赤く紅葉したこの季節、寿ぎの色に染まっているという、素敵な語です。

DSC02713_convert_20151207151658.jpg

寿棚には、富士山の形のつまみがついているブルーの水指を飾っています。富士は日本一の山。和は、相和す、なごむ、和らぐ、そして、日本という意味があります。和の文化の集大成である茶道を通じて、日本から戦争のない、また人々の心が平らかに穏やかにでいられる、そんな世界の実現に向けてのメッセージを送りたい、茶室の中だけのお茶ではなく、お茶の心が何かのお役に立てるような、そんな生き方をしたい・・・。

DSC02685_convert_20151207151754.jpg

DSC02752_convert_20151207152051.jpg

一人一人のお客様とあいさつを交わし、炭をつぎます。炉の大きな炭に驚きの声。
少し早いかなと思いましたが、霰の釜を用意しました。香合は、磨崖仏をそのまま切り取ったような、千手観音菩薩像を掘り込んだもの。手に縄や鈎などを持って、どんな事をしても衆生を救おうとするお姿が、ありがたい菩薩さまです。

DSC02755_convert_20151207152156.jpg


DSC02691_convert_20151207152311.jpg

懐石は開炉の喜びを込めて、いつもご馳走なのですが(^.^)、とりわけご馳走で、皆さん喜んでいただきました。(*^^*)

DSC02708_convert_20151207153624.jpg

特に煮物椀の海老芋真蒸は、絶賛。お客様の笑顔を見て、とても手間暇かかるお料理でめったにしない椀物ですが、頑張ってよかったな~~。
お酒は金沢の地酒「風よ水よ人よ」という銘柄です。なんだかジンとくるお酒です。

DSC02698_convert_20151207152435.jpg

DSC02763_convert_20151207152647.jpg

DSC02765_convert_20151207152843.jpg

DSC02764_convert_20151207153044.jpg

DSC02766_convert_20151207153151.jpg

DSC02768_convert_20151207160221.jpg

お菓子は、菓子椀で善哉。開炉ならではの柿と栗のお話もさせていただきました。お料理には栗を使いましたので、柿はお菓子に添えました。添えの赤箸を半分に折って菓子椀に入れて返すというのも、、濃茶のお菓子としてお出ししているので塩昆布など辛いものはつけないというのも、あまり知られていないようで、きちんと説明できてよかったです。

DSC02769_convert_20151207153929.jpg

後座の床には、11月ならではの照葉と椿。きれいな照葉が手に入ってうれしかったのですが、名前を聞いたのに忘れてしまった。(-_-;)

DSC02772_convert_20151207154042.jpg

DSC02722_convert_20151207154144.jpg


煮えのついた釜から立ち上る湯気が気持ちよく、釜もよい音を立ててくれています。
濃茶のお茶碗は、白萩の大徳寺呉器写しです。秀吉は、謁見を求める朝鮮の大使たちをいつまでも大徳寺に留め置きました。気の毒に思った利休が大使たちのお世話をし、朝鮮に帰るときに大徳寺に残していったお茶椀が、このぽっこりした形の呉器でした。後に秀吉は朝鮮出兵をしますが、負け戦に。その時、利休にもてなされた大使たちが、退路を作って、兵を日本に返してくれたという逸話がこのっています。「一碗からピースフルネスを」は利休も実践していたのだなあと思い起したりしていました。

DSC02774_convert_20151207154436.jpg

DSC02776_convert_20151207154653.jpg


後炭では、赤くいこった炭の火が、ため息が出るほど美しくて。炉の周りに寄り添う主客の風情もいいですね。香は裏千家当代のお好みの鳩居堂の座雲を使いました。やわらかくて優しい香りです。

DSC02777_convert_20151207154754.jpg


薄茶の棗は、玄々斎好みのあけぼの棗。あまり好みの道具は使わないのですが、このあけぼの棗の意匠は大好きです。主の茶碗には、南蛮人。替えには鎮守の森、松島茶碗。
蓋置は、白菊。戦争やテロで命を落とされた方への手向けの花です。

DSC02744_convert_20151207155001.jpg

DSC02783_convert_20151207160322.jpg


すべては書ききれませんが、道具一つ一つに、物語をしてもらって、茶事を進めました。二日間の開催でしたので、それぞれ亭主役やお客様が違うと、同じ茶事でも、日によって、創造される一期一会も変わってきますが、両日ともに、楽しい茶事になりました。少し重たいテーマ性は、ちょっとどこかに飛んで行ってしまったようですが、お一人お一人、何かを感じたり、気づいたり、考えたりするきっかけができていたら、うれしいことです。水屋コースもみなさんも、私の骨折を気遣ってくださって、目いっぱい頑張ってくださいました。
みなさんに感謝です。
一碗の暖かいお茶をいただいて、心が満たされ、平らかになってゆくのを感じます。戦争のない平和な世界は、一人一人の人間の心が平らかであること、お茶が目指す真善美(物の考え方が真であり、行動の規範が善であり、命輝くさまを美ととらえ、美を以て心豊かに)を求めて生きることで、実現されると信じています。

次回の風情ある四畳半茶室真庵での茶事の勉強会は、2月に釣釜で茶飯釜の茶事を開催させていただきます。茶釜でご飯を炊いて懐石に、その釜を改めて、お茶のための湯を整えます。ちょっとピクニックの飯盒炊飯みたいな楽しい茶事です。どうぞ、お楽しみに。
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://wa202020.blog64.fc2.com/tb.php/177-de8f2d7a
    この記事へのトラックバック


    最新記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。