じないまち峯風庵茶事勉強会「夕去りの茶事・庵主の誕生日」

2016年08月10日 11:35

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じないまち峯風庵 夕去りの茶事勉強会。ここでは、私が亭主をしながら、水屋とお客の指導に当たりますので、私にとっては一番ハードなプログラムです。
私の誕生日なので、テーマは「私のお茶」。65年の人生とお茶。ちょっと振り返って、皆さまに中間報告。写真はほとんど撮れませんでしたので、ちょっとだけ。
私のお茶なので、いつもと同じではあるのですが、今回は思いの丈をいっぱいいっぱい茶事にしました。
私のお茶の根本にある、利休の創造的なお茶、禅の精神性、そして、たった5年間だけ師事した先生が教えてくださった茶道と茶事のあれこれ。

待合では汲み出し代わりに、西瓜を時代ガラスの器に入れて、お出ししました。最初の小さなサプライズです。
掛物は、利休道歌「規矩作法 守りつくして 破るとも 離るるとても もとを忘るな」
直球勝負です。

露地は前日に、はいつくばって掃除をして、蹲の小石も一つ一つ洗ってあります。これをしないと茶事をした気になりません。当日、半東役の方にも、しっかり腰掛の拭き掃除をお願いしました。

夕去りの茶事は初座が陽になりますので、床には、花。相変わらず花は下手です。花茗荷をざんぐり高く入れて、桔梗と小さな紫の花(名前がわからない)。茶事が終わってから撮影したので、桔梗がかわいそうなことになってますが・・。

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初座のご挨拶では、お正客様からの第一声が「お誕生日おめでとうございます」。長く、茶事の勉強会にいらしていただいているKさんならでは。うれしいです。

炭手前では、炭斗がちょっと珍しい、南の島のアンティークのフルーツバスケット。香合は、舟です。茶事は舟にたとえられます。詳しくは書きませんが、茶事の極意です。

懐石は、誕生日なので、ご馳走がいっぱい。実は私の好物を並べました。だって、誕生日だもの、ちょっとわがまましてみたい。

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主菓子は、氷豆腐。歴史の中で忘れ去られたものやことを拾い出して、その魅力や大事さを今の世に伝えるのが私の役目。このお菓子も江戸時代に食されていたものを茶事の菓子になるように少しアレンジしたものです。

鐘鉦を打ち、後入り。

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茶入の仕服は、この日初使いの花食い兎金襴。徳斎の袱紗で茶入れの仕服を仕立ててもらうのは師匠仕込み。兎歳の誕生日に、間に合いました。
茶碗は、利休にゆかりのある大徳寺呉器と、師匠から「遊心」という銘をつけていただいた萩の井戸型茶碗。「お茶で遊ぶということはむつかしいことよ。あなた、見事に遊んでみなさい」
このあたりで、涙がこぼれそう。

薄茶の茶碗も、師匠に褒めてもらった黒織部の沓椀と津軽ガラスの蝋燭立てを見立てたものなど。
棗も、私の大好きな白漆の瓢。私のデザインです。作家さんにオーダーして世界にたった一つの自分の道具を作ることも師匠に習いました。

もう一つ、薄茶の茶碗は、私のこれからのお茶への取り組みを表す決意のようなもの。
和文化との出会いは、実は日本ではなく、ロンドンでした。大英博物館の日本の展示コーナーを見た時に背中に稲妻が走りました。日本って、すごい!と。
イギリスのアールヌーボーの作家シェリーのティーセットの中の砂糖入れを茶碗として使っています。この絵柄が好きで、昔、イラストレーターさんに書き起こしてもらって、「探求の森」というパンフレットを作りました。まさに扉を開けて森の中に入ってゆく絵柄です。
私にとって、お茶は「探求の森」そのもの。まだまだ、大きな森の中から、素晴らしいお茶の世界を探し出し、拾い上げ、皆さんにお見せしたい。

お客様からのメールに「お誕生日にあたって、わたしたちはまるで森さんのお茶宣言の証人のようです」と。
実はそうなんです。(^_-)

後座の蝋燭の灯りの中で、一期一会の心が寄り添いました。
峯風庵名物のサプライズは、干菓子で作ったバースデーケーキ。四天王寺の河藤さんの内輪と西瓜も夏らしいので、一緒にお出ししました。

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茶事が終わって露地に出ていただいたら半東さんのセンスがうかがえる蝋燭の灯り。待合に帰っていただく土間にも灯りを入れてもらいました。糸巻きを活用した灯り、大好評でした。

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今回の茶事で、不思議に思うほど、袂を分かつことになった師匠のことが思い出されました。
たった5年師事しただけの師匠ですが、この5年でお茶のすべてを教えていただいたような気がします。

私が弟子もとらず社中も持たないのはわけあってのこと。どなたでも、師匠をお持ちの方でも気兼ねなく一回毎のセミナー感覚で自身の足りない部分を埋めていただく場を提供するため、師匠にはなりませんが、精一杯その時々に出会う人に、私の師匠から学んだこと、それをもとに自身で気づいたことなどを、お茶話としてお伝えできたらなあと、思っています。

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