塚口真庵茶事勉強会 開炉・正午の茶事の茶事 レポート

2016年12月06日 23:06

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茶事に呼ばれたら、出かける前に硯と巻紙を用意して、帰宅したら帯を解く前に礼状を書くと習ったことがありますが、私は数日、その日の茶事の余韻を楽しんからにすることが多いです。その間に、じんわり心に届いてくるものもあるので。
先日の塚口真庵開炉・正午の茶事の勉強会のレポが遅れましたが、そろそろ発酵してきた感じです。(^_-)
茶事は勉強会といえども、きちんと時間内に収めます。限られた時間の中で、亭主も水屋も、もちろんお客様も持てる能力のすべてを使って、一期一会の茶事の世界を素晴らしいものにできるように。
2日とも後炭の後、釜の煮えが落ちることなく、正午席入りで午後4時に残心の時を迎えました。残心とは茶事の最後の挨拶をお客様一人一人とか交わし、お客様が退席された後、亭主はすぐににじり口を開けて、無言でお客様をお見送りすること。その時に、名残り惜しい思いがするような茶事にしなくては。今回のレポの1枚目の写真は、その残心の写真にしました。ここで、亭主は万感の思いに涙することも。美しい光景です。
薄茶が終わって、最後の挨拶では、お客様はその日に心に響いたことを一言添えて亭主と言葉を交わしてほしい。
1日目のお客様の中に「最後の紅葉狩りをさせていただきました」と、2日目のお客様の中では「大きな炭に火がついて、開炉の喜びが思わず湧き上がってきました」と。
亭主役の方はいらっしゃいますが、茶事の準備をしている影の亭主は私なので、いずれもとてもうれしかった。
昨年は手足の骨折のため、紅葉のシーズンを楽しむことができませんでした。今年は紅葉のシーズンを楽しむことができて、とてもうれしくて、今回の茶事ではあちこちに紅葉を散りばめました。また私は、自身の茶人としての生き方として口切の茶事はしないことにしているので(初夏に摘んだ茶葉を山で寝かせて、11月に手元に・・という環境にないので、お茶屋さんにその日のために摘めてもらうのは、どうも、嘘っぽいように感じてしまうので)11月はいつも炉を開く喜びを皆さまとご一緒にと。炉の炭の大きさに、その火力で煮えのついた釜から立ち上る昇り龍のような湯気に毎年、なんだか感動します。
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床には「松樹千年翠」大徳寺 弧逢庵の卓厳和尚のお筆です。今年の開炉の茶事では、待合に利休道歌の「規矩作法 守りつくして破るとも 離るるとても 本を忘るな」の色紙。改めてお茶について、それぞれが考える機会になればと。大徳寺で、一休和尚と村田珠光が出会っていなければ、茶道に精神が宿ることなく、単なる遊興の文化になり果てていたかもしれません。「松樹千年翠」には対句があって「不入時人意」とあります。松の緑は千年も変わらず美しい緑をたたえているが、それを見る人はその美しさに気がつかない。美しいものやことに気がつける自分になれるように、日々心を磨けるのがお茶ではないでしょうか。この語は続伝灯録という禅の書物にあるのですが、伝灯という言葉をよく私は使います。古き良き伝統を次の時代の人の心に灯を灯すように伝えてゆくには、現在の油を使わなくては灯を灯し続けてゆくことができません。今年も除夜釜がかけられないので、残念なので、ここで書かせていただきますが。行く年の炭の火種で炭手前をして、くる年の若水を釜に入れて湯を沸かす。伝統をつないで新しい息吹をいれてゆく。これも伝灯に通じます。
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これからのお茶は、さて、どのようになってゆくのでしょうか。今年の茶人の正月への私からのメッセージです。
口切はしないとはいえ、お茶の心が生きるよき文化なので、席中では口切のお話はさせていただいています。皆さまも口切の茶事はどこかで体験はしてほしいとも思います。
初炭で使った香合は、織部の久寿屋です。田舎の粗末な家を模したものですが、茶人の正月によく使われる織部香合に、この字を当てたのかと思います。この香合が後の懐石の八寸の栗と主菓子に添えた柿の話につながってゆきます。
シンフォニーのように時間の経過に沿って茶事の世界が完成してゆきます。心の琴線が小さな音を奏で、次第に大きな感動が生まれます。茶事って、本当に素敵ですね。
茶事は、そこに参加した人にしかその醍醐味は伝わらないのですが、諸事情があって参加できなかった方にも、少しお裾分けがしたいといつも思い、レポをしています。お茶の魅力を伝えてゆくのは私のライフワークですし、こうして公開することによって、私はまた更なる創造へと歩むことできます。茶事をするようになって25年になりますが、毎回まったく同じことはしたことはありません。お客様を思い、一期一会のおもてなしをと務めています。茶事は創造してゆくことに醍醐味があると思うのです。
i一日目の27日はあいにくの雨でしたが、お茶を初めてまだ4年目というご亭主の凛とした濃茶では、釜の奏でる松風と、濃茶を練る茶筅の音、そして、雨音が、至福の時を刻んでくれました。その日のもう一つの本日の感動。お客コースで参加していただいた、Nさん。何と二日前に転倒して右手首骨折。ギブスをはめてのご参加。ありがたいと思います。亭主はお客様によろこんでいただきたいと、一期一会の茶事の世界をご用意します。ギブスのお客様も、それがわかっていらっしゃるので、無理を押してご参加いただいたのだとおもいます。水屋ではこのお客様に大小二つのスプーンを膳に用意してくださいました。席中では、正客が隣のギブスの連客を気遣って、何かとサポートをしてくださいました。人を思うことが、茶事の第一歩です。ほんとうに、うれしかった。こんな茶事の勉強会を開催させていたいただけることがとても幸せです。

では、今回の茶事の勉強会の写真をお楽しみくださいね。写真は27日と29日のものを一緒にアップさせていただいています。
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