6月の塚口真庵茶事勉強会 伏傘懐石にて正午の茶事 蛍の光と茶の陰陽

2017年07月04日 21:43

月の塚口真庵茶事勉強会葉、伏傘懐石で正午の茶事。
梅雨時のうっとうしい時節ではありましたが、雨の香りのするいつもより少し暗闇を感じる四畳半の茶室で、この時ならではの茶事をお楽しみいただきました。
~~蛍の光に寄せて、お茶の陰陽~~
茶事では初座が陰で床には墨蹟。心静かに天地の恵み、亭主の心づくしの懐石をいただき濃茶のための炭がつがれます。主菓子をいただいて中立。後座は陽になり、床には花が。亭主が蓋置に柄杓をひいたころ、半東が静かにに簾を巻き上げ、日の光が床の花に注がれます・
いつも初座の床の掛物の写真を取り忘れてしまうのですが、今回は「雲流水」をかけました。禅の世界ではとどまりなく流れる雲と水のように執着を捨てるという意味もあるようですが、私は自然界の不思議やありがたさを感じていただきたくてこの語を選びました。雨の季節。振る雨は大地を潤し、やがて川の流れとなり、海に到達する。海の水は蒸発して雲となり、また雨を降らす。
床の禅語には、生きる勇気をいただくという茶人さん、自分を顧みる機会となるという方も。やはり床の掛物は大切だなあと思います。

20年ほど前になりますか。奈良県の大宇陀の里に、蛍能を見に行ったことがあります。かがり火と放たれた数千匹の蛍、能の舞台に酔いました。帰りは一人で車を運転して帰ったのですが、都会の明るい道路に慣れている私には田舎道は真っ暗で、不安がいっぱい。その時、闇の中に小さなぽわ~~んとした光が横切りました。蛍です。高速道路に入るまで、蛍が数匹フロントガラスの前で明かりを放ち、道先案内をしてくれました。
闇があるから光が見える。陽とは輝くもの。陰とは輝かせるものかと。その時に思いました。
陰と陽はどちらか一つでは成り立たなくて、二つ存在することでバランスがとれる。心も体も社会も、バランスを崩しては病んでしまいます。
陰陽は五行説と相まって中国で発展した物事の考え方です。宇宙の万物は陽の気と院の気にようって形成されることにより、自然界や日常生活の秩序が保たれている。五行とは木火土金水の五元素が最も重要であり、五行相生と五行相克によって中国の王朝の変遷があらわされているそです。宇宙、天体、季節、暦、などがこの思想によって説明がなされています。短く書くのはちょっとむつかしい。(-_-;)
茶も中国から伝わったものですから、茶の中にも陰陽五行が生きています。
茶室はもちろん、木火土金水で作られています。風炉の灰型も今回は両日共に亭主役の方にしていただきましたが、仕上がった灰型の真ん中には水の卦を描き火と相克します。
懐石の膳には向付、飯椀,汁椀が載っていますが、これを三光といい、太陽と月と星を意味します。
後座の用意ができたことを知らせる鳴り物は、昼は陽なので陰の銅鑼とうち、夕去りや夜咄の時刻は陰なので陽の鐘鉦をいちます。
点前座の水指、茶碗、茶器も三光です。
亭主は北面して点前します。(茶室によって北面できないこともありますが)手に持つのは柄杓。北の空に柄杓の形をした北斗七星が見えます。その柄杓の合の長さをそのまま5倍伸ばしたところに北極星が見つかります。北がわかれば自分の立ち位置がわかります。お茶とはやはり自身の生きる道を求めているのでしょうか。自身だけではなく道に迷った字とをも導くことができます。
陰陽で構成された茶事の時間と空間。三光や北斗七星を扱って点前する亭主はまるで陰陽師のよう。今回は2日間それぞれにまだ初心の男性が亭主役でしたが、お客様から立派ですと称賛いただきましたね。お二人とも、かっこよかったですよ。
こんな大きな世界、広くて深い世界のお茶が大好きです。ご一緒してくださった方々も、心が大きく広がり、すっきりさわやかな気分になられたのではないでしょうか。
例年、雨の季節はうとおしさを吹き飛ばしていただこうと、カエルの大合唱とか、ピチピチチャプチャプランランランといった楽しみの茶事にすることが多いのですが、今回は直球勝負してみました。
伏せ¥傘の懐石も進行がスムーズで、献立も大好評。峯風庵特性の吉野葛たっぷりの水無月の主菓子も、今年はこれが最後。
テーマの蛍は、待合のくみ出し茶碗に中国の蛍手を。炭斗に蛍篭、干菓子に、富山・五郎丸屋さんのうす氷夏・蛍バージョン、薄茶の茶碗に蛍、花に蛍袋でした。ちょっとしつこいかなと思いましたが・・・・。
今回の茶事で、利休さんがおっしゃったという「心は熱くもてなせよ。道具はありあわせにせよ」という意味が少しわかった気がしました。あり合わせというのはどうでもいいということではなくて、茶事では道具よりもっと大切なことがあるだろうということですね。
7月8月は塚口真庵の茶事b連協会はお休みさせていただきます。
9月には、夕去りの茶事の勉強会を開催しますので、ぜひ、ご参加ください
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://wa202020.blog64.fc2.com/tb.php/261-19af894d
    この記事へのトラックバック


    最新記事