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6月の汎庵茶事講座 伏せ傘懐石正午の茶事レポート

2011年06月24日 23:14

汎庵の屋根の修復工事のため、しばらくお休みになっていた、汎庵茶事講座。
久しぶりに訪れる日本庭園は、雨の恵みをたっぷり吸い込んで、木々の緑が滴るようで、格別の美しさです。さまざまな緑の色に心も体も包まれ、世俗の垢を洗い流してもらい、まるで生き返ったような気分です。
汎庵の屋根ももとの姿に修復され、変わらぬ凛とした風情で佇んでいます。
伝統を紡ぎ、新たな時代への架け橋になれるような、そんなお茶の道を探求する場として、本当にすばらしい環境です。大事に、また感謝して、これからも茶事講座をさせていただこうと気持ちを新たにいたしました。
6月汎庵茶事講座

雨の季節の汎庵茶事講座。
初日は、雨。二日目からは、曇り。
遠路お越しいただく参加者の皆さまには、雨はお気の毒なのですが、初日の雨の日の茶事の、なんと感慨深かったことか。雨の日の空気感、心の底に落ちてくる雨の音。しばし、うっとり、まるで天国にいるような、そんな気持ちになりました。
後の日程皆さまには、雨が降らずにごめんね~と言いたいくらいでした。

さて、今回は雨の季節だけに楽しめる伏せ傘懐石で茶事をさせていただきました。雨は素敵なのですが、湿度が高くうっとおしい気分になることもあり、なんとなくだらだらしがちです。茶事のメインは濃茶なので、懐石でだらだらしてしまっては、快い緊張感で濃茶に望むのが難しくなります。そのため、懐石をさらさらと進めるために、工夫されたものです。いつの時代にどなたが始められたのかは判りませんが、茶人らしい機転とウイットに飛んだ工夫だなあと思います。

水屋勉強コースの方は、午前10時から懐石料理と主菓子の実習があります。茶事の優雅さは、湖面を進む白鳥のようです。でも、水の中では、実は足をバタバタしていなくては、優雅さは保てません。茶事も同じで、水屋は、テキパキ動き、気働きも必要です。時間の限りの中で全力を尽くす、その達成感も茶事の醍醐味です。茶事をするには、優雅な茶席、テキパキの水屋、その両方が必要です。いつもお客様参加の皆さまも、是非、水屋にもトライしてみていただければ、お茶への理解が深まるかと思います。

お客様コースは11時40分集合。水が打たれた玄関を入るから、既に茶事は始まっています。待合、露地、腰掛待合、蹲、全てのご亭主のお心入れが感じ取りながらの、お席入りをお願いしています。
6月汎庵茶事講座


6月は、初日が表流の方がご亭主でしたので、にわか表流にて懐石をお出ししました。二日目と三日目には、立礼席にて懐石。
表流の炭や湯の考え方、自然体の点前、とても素敵でした。立礼でのおもてなしの方法も空間によってもさまざまですが、臨機応変に対応することろが茶事の醍醐味でもありますので、今月は、私もいい経験が出来ました。
6月汎庵茶事講座


懐石の膳は、向付をおき、飯椀の上に汁椀を重ねて持ち出します。汁椀を伏せた姿が傘を伏せたように見えるので、伏せ傘懐石と命名されたようです。
6月汎庵茶事講座

飯椀には、最初の一文字と次の飯器で取り分ける分量のご飯が入っています。お汁はかないろ(昔はこれでお酒を呑んでいたといいますから、茶人はみな酒豪でいらしたようです)で持ち出し、取り分けていただきます。汁代えの分も入っていますので、具は一人3個取り分けます。煮物椀からは、通常通りですが、これだけでもずいぶん手間と時間が省けます。
向付は、ゆでた車海老に黄身酢を掛けて。添えは花丸胡瓜と莫大。この季節には、生物はなるべく使わないという配慮も、必要です。
煮物椀は、レンコン豆腐に煮穴子とかいわれ菜。焼き物は鮎の風干しの素揚げ。懐石料理は、とてもバランスのよいお料理だと思います。最後の湯斗と香の物をいただいたときに、ああ、美味しかったとお腹も心も喜んでいただけるような、そんなお料理をお出ししたいと、いつも思っています。
6月汎庵茶事講座

6月汎庵茶事講座

初炭を終えて、主菓子。手作りの水無月です。吉野の葛を使いましたので、上品でもっちりした食感が持ち味。
6月汎庵茶事講座


中立のあと、席中では、半東さんにお手伝いいただいて、花を入れ、炭と湯を整えて、茶入を飾ります。花入は竹で作られた番傘。傘の柄の部分に水を入れるようになっています。アジサイがよく似合います。
6月汎庵茶事講座

本日の水指は、前夜からどっぷりと水に浸けておいた伊賀です。今回の道具組は、この伊賀の水指と、もう一つ、水の季節に関するものから構成してゆきました。
今回は、陶芸家の方がお二人ご参加でしたので、現代を代表する5人の陶芸家にも選ばれた、古谷道生さんのものを、お持ちしました。
6月汎庵茶事講座

お茶道具は一つだけで存在するものではなく、茶事の中で、シンフォニーのように互いに引き立てあって、一つの世界を作ってゆく、そんな道具を作っていただきたいというお話もさせていただきましたが、茶事のお客様の道具を楽しむ一つの視点としても、ご参加の皆様にもお役にたてたようです。

濃茶は、厳粛に。雨の匂いの中での寂とした時間は、お茶をしていて本当によかったなあと思える時間です。亭主がお茶を練るあいだに立ち上ってくるお茶の香りも、梅雨どきには強く感じることができます。お香の香りも、雨の季節には、翌日まで残り香が続きます。
濃茶からは、水屋コースの方も席中に入っていただけますので、濃茶終わりのタイミングで、毎回テーマを決めて、お茶の世界を深めていただけるようなお話をさせていただいております。
今回は「お茶はLOHAS」というお話でした。
心も体も健康で、持続可能な社会や地球環境に配慮したライフスタイルを支持する人々が、世界中で急速に増加しています。2000年頃にアメリカから日本にも入ってきた考え方ですが、実は、お茶の成立当時の400年前から、茶人は既にLOHASの推進者であったというお話です。
文明のこの時代に、炭をいこし、湯を沸かすお茶の世界。手間暇掛けることで、心が育つ。和の文化の考え方の一つです。お茶の道具は自分の手で足りないところを道具に借りますので、常に自分の手の延長にあります。人間の力でコントロールできないかもしれないものを安易に取り入れることへの警告でもあります。
常に前に前に進むことだけでなく、人間の叡智で、少し立ち止まること、後ろを振り返ることも必要です。お茶は、そんな人としての生き方のバランスをとるためにも、役立つことが出来ると思う。そんなお話をさせていただきました。
お話の間に、後炭、風炉中の拝見。
6月汎庵茶事講座


そして、薄茶が始まります。
干菓子を運んだときに、席中でワア~と言う歓声が。そうなんです。この干菓子を見つけたときに、今回の茶事の世界が出来上がりました。四天王寺参道のお菓子司河藤の蛙の落雁です。可愛いでしょう。お客さまに喜んでいただけて、本望です。写真2枚載せちゃいます。
6月汎庵茶事講座

6月汎庵茶事講座

棗は6月に使おうと求めた、黒の面取り棗、石斎の作です。この季節には、キリッと引き締まるような黒の棗がよく似合うと。主茶碗は、お茶の心を表す曳舟の図にしました。このお茶椀は、雨の中,箕をかぶり、川下りの舟を川上に引いてゆく姿が描かれています。楽しい舟下りには、このように見えないところでご苦労を掛けているということを心に刻む図です。見えないものを心の目で見る、お茶の心でもあります。
6月汎庵茶事講座


茶事が終わって、名残惜しい気持ちで迎える、最後のお見送り「残心」。今回も4日間、それぞれにご亭主とお客様の、いろいろな思いが行き交ったことでしょう。
6月汎庵茶事講座


前回に引き続き東京からいらしてくださった方に、席中で「東京には茶事を勉強するところはないのですか?」と、他のお客様からの問いかけがありました。「東京にも茶事の勉強会はたくさんありますが、この汎庵茶事講座のように、お茶の魅力と本質を学べると処はありません」とお応えいただき、本当に、うれしいことでした。この方は映像作家でいらっしゃいますが、これからの私のお茶の表現活動において、大きなヒントをいただきました。私のお茶も、まだまだこれからingです。ご縁をいただきました方、お出会いさせていただきました皆様と御一緒に、これからもお茶の世界を探求してゆければ幸いです。

しばらくお休みがありましたので、次回はもうすぐですが7月の23日(土)24日(日)25日(月)
に開催させていただきます。
暑い時期ですが、お茶でしゃっきり。暑い時期のお茶ならではの、楽しみがあります。
名水点にて、朝茶事の勉強会をさせていただきます。茶道具のつるべに注連縄ではなく、ちょっと工夫をさせていただいた道具での名水点をお楽しみください。朝茶事ですが、勉強会ですので、いつもと同じ時間に開催です。
是非、御付き合いくださいませ。
お申し込みは、下記の千里庵まで。
http://www.senrian.com/hanan_chaji.html

私の「和の心」HPはこちらです。
http://www.wa-no-kokoro.jp/

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