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2月25日26日塚口真庵茶事勉強会「茶飯釜」の茶事レポ

2018年03月02日 20:19

遅くなりましたが、2月25日26日の塚口真庵茶事勉強会の覚書を。
茶飯釜の茶事は習いのない茶事で、楽しくちょっと砕けた茶事ですが、私は、この茶事に茶事の原点を見る思いがします。
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茶飯釜は利休の弟子の宗徳が始めたもの。おくどさんにかける飯炊きの釜の形をしています。その釜には「飢来飯」「渇来茶」と文字が彫られていて、おなかがすいた方にはどなたにもご飯を差し上げましょう、のどが渇いた方がいらしたらどなたにもお茶を差し上げましょう。人にも仏性が現れます。

茶室の炉で、茶釜でご飯を炊いて懐石のおもてなしをするのは、亭主だけの働きではなく。お客様の協力が必要です。どの茶事でも主客で一座建立してゆくことが大事ですが、ともすればお客様はただ黙って、ご飯を食べ、酒を飲み、お茶とお菓子を召し上がって、ひたすら無言で帰えらるか、決まったとことでありきたりの挨拶があるという茶事もあって、そんなときの亭主の落胆といったら。これは亭主をやってみないとわからないことかもしれませんが。
茶飯釜では自然に主客が協力し、その間会話も弾み、楽しいだけでなく、相手を思う気持ちが自然に備わってきます。一粒のお米への感謝の気持ちも沸いてきます。茶人としても心が育ちます。
ご参加のお正客役の方からも、茶飯釜はしないといけませんね、これは大事な茶事ですなあと感想をいただき、思わず、にこりと、私。
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気軽な茶事といわれている茶飯釜ですが、奈良のお水取りの趣向にしました。
たぶん、お水取りの行事を行う東大寺のどこかでは、たき火がたかれ大きな鉄の釜がかけられてご飯を炊いているはずです。行事を執り行われる方々への食事接待です。私は金春流の仕舞を家元について習っていましたので、年末の春日大社の御宮で家元が能を舞われるのについて行って、春日大社の焚火のご飯をいただいていました。お菜は味噌汁と漬物と佃煮だけでしたが、そのご飯の美味しいことと言ったら。野外で行われる宗教行事となると鉄の釜で炊いた美味しいご飯というのが私の思考回路です。
かってな思いではありますが、今回の茶飯釜の茶事はちょうど準備が始まっているお水取り野趣向にして、美味しいご飯を頂きながら春を待つ気持ちを皆さんで共有させていただきました。

茶飯釜ではたっぷりの炭を入れて、火吹き竹で、フ~フ~拭いて火力を上げてご飯を炊きます。釜の中でお米の踊る音がして湯気が上がり始めると鎖を上げて火加減を調節。

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ご飯が炊きあがるまでに、香合の拝見、向付と一献、八寸を済ませます。煮物椀を先に出すこともありますが、見もの椀はおなかが大きくなりますので、おなかがすいた状態で炊きたてのご飯とみそ汁をというのが私の手法です。
二日ともご飯は上手に炊き上がり、一口召し上がって歓声がもれました。良かった。
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初座の床には「心清似鏡 願深如海」の禅語。菩薩の心は鏡のように清らかで透き通っていて、衆生を救おうという願いは海のように深い。菩薩の心と願い、ありがたいです。お水取は東大寺二月堂の十一面観音に、天下泰平、五穀豊穣を祈る行事。連行衆の振りかざすお松明や、五体投地の荒行で、知られています。
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炉で燃え盛る炭火に、始終お客のおもてなしに心を尽くす亭主の姿に、何かを感じていただければ。
懐石は、向付と汁、強肴の鍋は精進にしました。それぞれ下拵えのいる精進五和絵の向付け、かないろに入れて炉で温めた蓬麩のお汁。八寸は若狭カレイとタラの芽の衣揚げ。
煮物椀は。春を待つ桜鯛のとろろ蒸し、焼き物は鰆の塩焼。強肴は蕗の揚巻、独活、ニンジン、干しシイタケ、芹。
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主菓子は蓬を使った、若草山です。
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後蓙の床には、二月堂の須弥壇を習って散華を。今年は椿が少なくて、困っていましたが、皆さまのおかげでたくさんの椿が集まって、夢のような散華をすることができました。心より感謝。

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水指は釣瓶、濃茶の茶椀は水を思わせてくれる青萩の井戸型を。後炭では、炭がすっかり燃えていて、輪胴を入れることができました。薄茶の干菓子は水の落雁と」州浜の蕨。四天王寺の河藤製です。たまには、プロのお菓子も使ってみたくて。
薄茶のお茶碗は私の大好きな三椀。赤膚二楽さんの奈良絵、、加藤春二さんの柳、今は無き中宮寺釜の刷毛目に梅の図。
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今回もい茶事ができて、幸せです。
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次回は3月25日(日)26日(月)、桜前線 釣釜正午の茶事の勉強会です。四畳半茶室でゆらりと揺れる釣り釜の心地よさ、桜に寄せる思いをゆったりとお楽しみください。会費16000円。ご参加申し込み受付中です。
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