3月25日26日塚口真庵茶事勉強会レポ

2018年04月04日 16:01

CIMG1143_convert_20180404162154.jpg

今年の桜前線がちょうど大阪に届いた3月の25日、そして26日。風情ある四畳半茶室の塚口真庵にて、春の陽気を思わせるゆらりと揺れる釣釜の茶事勉強会を開催しました。
真庵の露地(和の庭とイングリシュガーデンがミックスしたオーナーが丹精込めた庭です)の苔が見事に育って、春の花々もあちこちに。毎月表情を変える美しい庭に出会えるのも茶事勉強会の楽しみの一つです。
CIMG1011_convert_20180404160549.jpg


笑い話みたいですが、ワンちゃんに吠えられ飛び掛かられてて、びっくりして後ろ向きにスッテンコロリンと転びました。たいしたことないと思っていましたが、白内障の入院中に痛みがひどくなって、なんと背骨が圧迫骨折していました。
全治2~3ケ月、ずっと安静に寝ているようにと。
この3月の茶事勉強会は早くに亭主も決まっていましたし、きっと皆さん楽しみにされているなあと思うと、中止しがたくて。
お茶の修行は、階段を一歩一歩上ってゆくというより、時として歩みが止まってしまったり、後退したり。そんな中で、ぐっと伸びる時期がどなたにもあります。今ちょうど、このグ~ンと伸びそうな方が数名いらして、この方々にストップをかけてしまうことにも忍びなくて。
茶事勉強会が終わったら、ゆっくりきちんと静養しようと、開催を決めました。
首の下までのコルセットに腰に重ねてサポーターも、痛み止めの薬、2日間の開催の体力温存のために真庵に宿泊もお願いしました。オーナーに布団を敷いてもらって、朝は上げてもらって。感謝、感謝です。
何とか普段通りに最後まで頑張れました。

CIMG1139_convert_20180404160742.jpg



さて、今年の桜の茶事は、待合には「桜の風景図」の短冊をかけて、汲み出しの茶碗に、伊賀上野の骨董屋さんで求めた、春草の模様がはいったものを使いました。伊賀上野は松尾芭蕉が住んでいたところ。「さまざまなこと 思い出す 桜かな」。
この有名な芭蕉の俳句から、桜の茶事を始めました。
ご参加の皆様の桜の主で幅霜楽しみです。

釣釜の炭手前はちょっと大変ですが、二日とも亭主役の方、見事でした。下火も上手に入れてくださって、五徳のない炉の景色も楽しいものでした。
香合は、かわいい都鳥。隅田川の都鳥を思い、隅田川の桜が目に浮かぶ。
今回の茶事では、桜や桜の名所をちりばめて、楽しんでいただきました。
最期の薄茶の煙草盆には、今は無き湖東焼きをうつした膳所の「旅人図」の八角火入れ。桜前線をたどりながらの桜の花見はいかがでしたか?と落ちをつけてしまいました。

CIMG1140_convert_20180404161230.jpg



春の茶懐石は、いただくのもいいですが作るのがとても楽しい。春の食材の香や歯ざわり、彩など、ワクワクしながら作るこ
ができます。今回も水屋コースの皆さんで、当日お出しする懐石フルコースと主菓子、干菓子の白餡入り落雁の水を作りました。

<向付   貝と春野菜の苺酢掛け
汁    新ゴボウ 合わせ味噌 辛子
煮物椀  鯛の桜葉蒸し 菜の花: 筍 木の芽
焼物   生鮭幽庵焼き たたき木の芽
強肴   独活 筍 新わかめ 菜の花 車エビ
小吸い物 エンドウ豆
八寸   いかなご釘煮  フキノトウの衣揚げ
酒    銘  秀よし
湯斗
香の物  沢庵  日の菜

主菓子   銘 桜咲く (求肥 桜餡) 

CIMG1123_convert_20180404161601.jpg


焼物と強肴は時代の重箱に重ねてお出ししましたら、お客様の歓声が。
お酒は大阪にたくさんの桜を植えた太閤秀吉niちなんで選びました。

CIMG1118_convert_20180404161351.jpg

CIMG1119_convert_20180404161449.jpg

CIMG1120_convert_20180404161522.jpg

後座は、水屋コースの方々も一緒に席入りして、濃茶、後炭 薄茶、そして私のお茶話を聞いていただきます。お茶話は茶事の意味や意義、客、水屋それぞれの心構えなどの解説と、その日の茶事の世界を楽しんでいただける(茶事の客によばれたときにこんなお話ができるといいですねという サンプルでもあります)お話をさせていただいています。

CIMG1151_convert_20180404162454.jpg

CIMG1128_convert_20180404161847.jpg

待合の「さまざまなこと 思い出す 桜かな」をうけて、一つは、6年前に3年間続けた今はもう閉まってしまった万博日本庭園の中の茶室・汎庵での最後のの茶事講座での思い出を。桜は春の命の象徴でもあるし、また、別れや死を感じさせることもあると。床の花は汎庵の時と同じく、盆に桜の一枝を水を入れずにおいていただきました。汎庵最後の茶事のレポートはこちらをクリックしてご覧ください。http://wa202020.blog64.fc2.com/blog-category-2.html

汎庵は広間でしたので道具も華やかなものでないとなかなか目を引きません。時代根来の赤の色が美しい隅切り盆を使いましたが、真庵では渋い朽木盆にしました。同じ桜でも亭主によって入れ方が違います。花の姿は亭主の心を表します。どちらも素敵です。花も人も限りある命、その命を精いっぱい生きることが大事だというメッセージです。
CIMG1124_convert_20180404161653.jpg

CIMG1149_convert_20180404161744.jpg

もう一つの桜の話は、以前に町の活性のお手伝いにと出かけた長崎県五島列島のある島で出会った桜。美しい海と山、村人に守られた小さなキリスト教の教会・・・。楽しみに出かけた五島列島でしたが、海はコンクリートで固められ、山には縦横に大きな道路が走り、無残な姿。工事で島にお金が落ちなかったらうちの子を大学にはいかせられなかったという話を聞くと、言葉はないのだけれど。その時ふと視野に入ったのが一本の桜。黄色かかった花と黄緑の若葉が同時に出ている珍しいものでした。コンクリートの海を眺めるように、すくっと立った美しい桜。人間のすることなんて、こんなものよねと言われているような気持でその美しさに目を奪われました。この島も美しい自然をそのまま残していれば、世界中の方々が訪れる幸せの村になっただろうにと。

後座の濃茶の茶碗をいただいた陶芸家の方が二日目の正客さんに来ていただいており、使い込んだ茶碗をとても喜んでくださいました。貧乏茶人にはとても買えない作品です。
これからも大事に使わせていただきます。

後炭、薄茶と進と、ああ、これで茶事が終わってしまうと少し名残しい気持ちになる、そんな茶事が、勉強会でもできていることに、感動と感謝。
薄茶が終わる頃、床の桜がはらりと花びらを散らしました。茶事の礼状をくださった方の中にはこのことに気づかれて、心深く受け止めてくださいました。
CIMG1132_convert_20180404161938.jpg

CIMG1087_convert_20180302201910.jpg


4月はゆっくり休みますが、かえって茶事ができない方が私は元気がなくなることでしょう。5月27日28日の塚口真庵での茶事勉強会を心待ちにしています・
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://wa202020.blog64.fc2.com/tb.php/294-75e95ac6
    この記事へのトラックバック


    最新記事