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10月の万博・汎庵茶事講座=名残正午の茶事レポ

2011年10月20日 00:13

2011年10月汎庵茶事講座名残
2011年10月14日15日16日の万博・日本庭園 汎庵茶事講座

10月は名残の季節。侘びの心が一番感じられる、大好きなお茶のシーズンです。
日本庭園では早くも、薄紅葉。

2011年10月汎庵茶事講座名残

季節季節に目を楽しませてくれる日本庭園は、急ぎ足で深まり行く秋支度をはじめています。
水屋勉強コースは、10時から懐石料理とお菓子作りの実習から。
心をこめてお客様をもてなすための準備、実践の場です。なかなか水屋の勉強が出来るところはないのでと、やる気マンマンで参加していただく皆さん、とても頼もしいです。
せっかくなので、自分の持てる力を精一杯発揮していただけるように、本番の茶事の水屋に近い形でよ取り組んでいただいています。いつもはお客コースでの参加でしたが、今回は水屋でご参加いただいた方もいらして、「最初は緊張したけど、楽しかったし、一杯勉強することがあって、また水屋で参加します」というお言葉をいただいて、私もとてもうれしく思いました。お茶の心を体得するには、やはり裏方の修行が一番かと思います。

2011年10月汎庵茶事講座名残

私も苦手な風炉の灰型をしているときに、一番修行だなあ~と。笑。特に、今回は鉄のやつれ風炉に掻きあげ灰にしましたので、大汗掻きました。

今回は、干菓子の落雁も作っていただきましたが、これがどの日も好評でした。お客さんコースの方々も、落雁は水屋で作りましたとお伝えすると、感心されていました。結構簡単に出来るのですけどね。

お客様コースは11時40分集合です。半東さんが汲み出しを出す前に、玄関の入り方から、身づくろい、待合の掛け物の見方など、茶事に招かれたときの待合までの準備やマナー全般についてご説明。
本日の待合の掛け物は竹の絵に「葉々清風」の語。妙心寺館長のお筆です。
待合の掛け物は、その日の茶事の趣向をさりげなく伝えるものが掛けられていることが多いもの。中国の漢詩から抜粋された語で、友の来訪を受けて楽しいときを過ごし、名残惜しく思いながら門の外まで見送ったところ、竹の葉も風を受けてサラサラと音を立て、一緒に名残を惜しんでいるようである、といった意味かと。来月になると、茶人の正月がやってきて、筧や枝折戸なども青竹に替わります。季節の移ろいも感じ取れます。
ああ、名残の季節だなあと、思っていただければ幸いです。
名残の汲み出しは蕎麦茶にしました。器は麦藁手。汲み出しにも心を込めて、あれこれ考えてお出ししています。
待合から腰掛待合に出て、亭主の迎えつけを待ちます。

2011年10月汎庵茶事講座名残

2011年10月汎庵茶事講座名残



汎庵の露地の風情はすばらしく、清々しい気持ちになります。
蹲を使って、お席入り。

2011年10月汎庵茶事講座名残

床には「閑座聴松風」の墨蹟。中置にしたやつれ釜の風情に、秋が深まってきたことに気づきます。
今回は金曜と土曜日は懐石部分を立礼にしましたので、金曜土曜は、風炉ではありますが、初入りの挨拶の後、初炭手前。その後に席を移っていただきました。茶事は臨機応変、その対応の妙に亭主の力量が伺えます。

2011年10月汎庵茶事講座名残

懐石は、名残の風情を感じていただくために寄向にしました。風炉の間に使ったさまざまな向付をとりどりにご用意。お隣の向付の器も楽しんでいただけます。
懐石料理も名残にふさわしく、少し侘びたものに、そして風炉の季節の食材にも名残を惜しみます。
向付は、あぶり鮪の山掛け。山芋のネバネバが後に煮凝らないように、細かい微塵きりにして包丁で叩いてお出しします。

2011年10月汎庵茶事講座名残

汁は、赤味噌の味を勝たせ田合わせ味噌に美味しい鳴門金時のさつま芋。お酒は、いつものように、のん兵衛の千里庵スタッフが取り寄せてくださった美味しいお酒。今回は実りの秋の刈穂にちなんだ石川県の地酒「楽穂」
煮物椀は、夏の食材の冬瓜と鶏の丸。冬瓜は湯がいて水にさらして、干し海老を入れた味付けだしで煮ておきます。薄葛仕立てにして生姜を添えると、滋味深い煮物椀になりました。

2011年10月汎庵茶事講座名残

焼き物は、これも名残の鱧を酒塩焼きにして、胡麻を振りました。器は江戸時代の馬の目皿です。虫食いの出た侘びた器も名残の風情です。

2011年10月汎庵茶事講座名残

強肴は、鶏と栗と干し葡萄の照り煮。鶏も栗も低温の油でじっくり揚げてから煮ています。手間暇が味に深みを添えています。

2011年10月汎庵茶事講座名残

懐石料理は、ホッコリと心が温まる料理です。
炭手前は、めったに使わないやつれ風呂に亭主役の方は少々困惑気味でしたが、事前にレクチャーしますので、3日とも皆さん、首尾よくクリア。
主菓子は、久しぶりに登場した、秋の実りと銘をつけた求肥です。餡を使わないのですが、ドライフルーツとナッツをたくさん入れましたので、こくのある味わいです。皆さん、絶賛!思わず、私、にんまり。

2011年10月汎庵茶事講座名残

中立では、半東さんが大活躍。炭のいこり具合やお湯の沸き具合をチェックして、その場に対応してすばやく働きます。亭主は花を入れます。茶花は少し淋しいくらいにいれますが、名残の月は、花をたくさん入れるのがおもてなし。残り花や帰り咲きの花が風情があっていいもの。実の成っているものも10月に限りいれることが出来ます。花入れは背負籠です。たっぷりの花は、まるで秋の山で摘み取って籠にいれたかのようですね。

2011年10月汎庵茶事講座名残

初座の床に禅語のように、松風のように聴こえる釜の煮えの音。寂かに練られた濃茶は、まさに甘露。後炭手前、薄茶と茶事は進んでゆきます。

2011年10月汎庵茶事講座名残

2011年10月汎庵茶事講座名残

濃茶からは水屋のメンバーも席入りしていただけますので、濃茶の終わりぐらいから、毎回テーマを決めてお茶の世界を広げていただけるようなお話をさせていただいております。今回の講話テーマは「侘びの茶道具」
濃茶の茶碗は、李朝の御本茶碗で漆継が施されています。懐石の向付の器には、江戸時代の赤膚焼きの柏の葉の形をしたもので、私が金継に出したものです。名残の茶事では繕いのある道具が好まれます。侘びといえば、言葉で説明しにくいですが、日本人なら誰もがなんとなくわかる美意識です。侘びは、淋しい、わびしいといった感覚と近いものがありますが、それだけではないようです。人の心を捉える存在感、完全な形を求めゆく過程の動的な力など。壊れたものは使えなくなりますが継ぎを施すことで、また蘇り、壊れる前以上の魅力を発揮することが茶道具では多々あります。桃山時代の陶片を継ぎ合わせたお茶椀も持参して皆さんに見ていただきました。呼び継茶碗です。壊れたものをそのまま修復するのではなく、まったく別の陶片をあわせてパッチワークのようにつないでゆくもので、私が崇拝している白州正子さんが、日本の美として紹介されています。壊れたものから新たな素敵なものを生み出してゆく、侘びの茶道具のきわみです。
私も、もう若くはないので、あちこち痛みや壊れが出てきます。考えて見れば完全なる人はめったにいないか、まったくいないかも。みな、どこかに、傷や痛みを持っていて、それでも一生懸命生きているのだと思います。傷や痛みがあるからダメなのではなく、それもひっくるめて個性だと思うこと、そして、傷や痛みが癒えたとき、再び、力を得て、人や社会にお役に立てることが出来るようになる。そんな人の生き方にも、侘びの茶道具は、通じるような気がします。
白州正子さんは、流派のお茶はしない人でしたが、お茶の祖の村田珠光や利休といったお茶の源に直結していた人だと思います。白州さんが茶道具について語った言葉「お茶の精神が形になったものが茶道具です。」を見つけたときに、私が侘びの茶道具に魅かれる意味がわかったような気がしました。
今回の汎庵茶事講座では、私の好きな侘びの茶道具をたくさん使うことが出来ました。
懐石の焼き物を入れたお皿は、江戸時代の馬の目皿、香の物を入れた器は片口でした。
茶入はまだらのある古唐津、薄器は、これも江戸時代の根来のもの。薄茶の主茶碗は伊羅保でした。
皆さん、楽しんでいただけたでしょうか。

2011年10月汎庵茶事講座名残

残心のお見送りを受けて待合に帰って、再び掛け物をご覧いただいたら、名残の茶事の数々のおもてなしが走馬灯のように、心を駆け巡ってゆかれたことと思います。

さて次回は12月に夜咄の茶事をさせていただきます。蝋燭の灯りで楽しむ幻想的な茶事です。いつもと同じ時間に開催しますが、雨戸を閉め電気を消して、露地も室内に造り真っ暗にいたしますので、夜の風情を味わっていただけます。
日程は12月9日(金)10日(土)11日(日)です。10月茶事講座参加の方は先行予約が出来ましたので、もうだいぶお申し込みが詰まってきています。お申込みはお早めにお願いします。
詳細はこちらをご覧ください。
http://www.wa-no-kokoro.jp/hanan/20/














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