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峯風庵茶事塾in塚口真庵6月のレポート

2012年07月17日 14:06

塚口真庵での第二回の茶事塾の模様をレポートします。
2012年6月塚口茶事

言葉で伝えられることはたかが知れていますが、真庵での茶事の勉強会の様子をご紹介させていただきたくて、初回とこの第二回に限り詳細なレポートをお届けします。次回からは、少し簡単にさせていただきますので、是非、真庵で実際の茶事をご体験いただきますように。

6月は、伏せ傘懐石にて正午の茶事の勉強会です。
当日は、雨を覚悟していましたが、幸運にも雨に打たれることなく、蹲を使ってお席入りしていただけて、ホッと安堵。
真庵の魅力の一つのお庭は、雨の季節の恵みを一杯に受けて、一段と緑が美しく、雨の匂いをかすかに嗅ぎ取ることが出来ました。
2012年5月塚口真庵


茶室に焚いたお香も、湿気のある日はより一層芳しく、非日常の世界に誘ってくれるようです。
塚口の茶事塾が終わった後は、私が本番の茶事で素敵なお客様をお招きしたときのように、ああ、楽しかったと、気分が高揚します。その気持ちは何日も続きます。四畳半の茶室で、きちんと茶事の本質を伝えられて、茶業ではなく塾として開催させていただくのは、やっぱりいいなとしみじみ思います。

オーナーさんが、茶室のふすまを葦の戸にかえてくださっていて、あちこちに蚊取り線香を置いてくださいました。そのお気持ちがうれしくて。蹲のそばにも目立たないようにそっと置かれていました。
茶人の心を感じます。
茶事塾6月


この茶室を所有されているN家は淡々斎ゆかりのお家で、準備中に、少し所蔵のお道具を見せてくださいましたが、素晴らしいもので、淡々斎の花押を思わず拝みそうになりました。笑。「どうぞお使いください。」とのありがたいお申し出ですが、もう少し皆さんのレベルが上がってからに・・・。汗。

茶室が変わると、おのずと茶室にあった道具組みをしたくなり、私も、今回、この日のために求めた道具を数点道具組みに生かしました。私は道具メインのお茶をしませんが(いえ、貧乏茶人ゆえ、出来ないのですが。)、道具がなくてはやはりお茶は成立しませんので、無理のない範囲で、なるべく皆さんに楽しんでいただける道具組みを毎回考えています。
今回は、道具の生かし方、道具組みの楽しさや工夫などについてお話させていただきながら、茶事塾を進めてゆきました。これから道具を求める方の、参考になればと。
道具は亭主の分身ですから、道具やその使い方を見れば、その人となりが見えてきます。ただお茶をいただき、道具を鑑賞するだけでなく、道具を糸口にして、茶事の世界を広げ、ご亭主の生きざまやセンスなどにも触れる事ができて、とても楽しいことです。心の交流も生まれ、茶人同士のお付き合いが深まってゆきます。これが茶事の醍醐味です。

水屋コースの方には10時半にいらしていただきます。どなたかお知り合いのかたから茶事の水屋を頼まれたときに「はい、喜んで」と引き受けられるように、亭主の裏方としてちゃんと動けるように、そして自身のお茶の修行の達成感を得られるように、実際の水屋の働きを体験していただきます。それぞれの方の資質や経験の度合いも違いますので、それぞれに、今日できる精一杯のことを誠心誠意努めるという、気持ちで取り組んでいただけたら、うれしいです。塚口の茶事塾は新しく始めたばかりですので、皆さんのアイデアやお力もお借りして、創意工夫をしながらより良い茶事の学びの場を作り上げてゆけたらいいなと思っています。
水屋コースでは、段取りよく次のコトも考えながら動く、懐石膳のセットや盛り付けなども勉強になるかと思います。

お客様が到着されて、いよいよ茶事が始まります。半東さんは大忙しになります。
お客様には、待合や腰掛待合でのお客様の心得なども少しお話します。
待合の掛け物は「茶人」と題された、色紙です。「振らずとも傘の用意」と言う文字と、茶人の道中の姿が描かれています。雨のシーズンの心得と言うだけでなく、何事にも動じないように、いつでもちゃんと心の準備をしておくという、生き方への提言かと。

迎えつけ、蹲を使って、席入り。

2012年6月塚口茶事

床のお軸は「行雲流水」。雨が降り、地に吸い込まれて、川になり、海へと向かう。そしてまた、蒸発して雲となり、雨を降らす。留まることなく自然は循環し、その恩恵ゆえに生き物は命をつないでゆく。大いなる自然の力を感じるとともに、留まることなく修行を続ける雲水(行く雲の雲、流水の水をつなげると雲水になります)の姿をも思い浮かべます。


風炉になって、懐石からはじまりますので、水屋はちょっとあわただしくなります。
伏せ傘懐石は、雨の季節のうっとうしいときに懐石で時間をかけては後の濃茶まで気持ちがだれてしまいがちなので、懐石をサラサラ進めるために考案されたものです。

2012年6月塚口茶事


お膳には、飯椀に一文字と次のご飯分くらいの量をこんもり丸く持って、汁椀で蓋をして持ち出します。そのかたちが、傘を伏せたように見えるので、この名称がつきました。
写真を撮り忘れましたので、懐石料理教室のものを紹介します。

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お汁は「かないろ」という昔は酒注ぎだった口つきの容器に入れてお客様に預けます。汁替えがありませんので、水屋は少しラクチンです。
向付は、煮穴子の山掛け紫陽花見立て。懐石は会席ではないので、あまり華美な料理はしませんが、梅雨時のうっとうしさを、吹き飛ばしていただこうと、見た目にも美しくと。

2012年6月塚口茶事

煮物椀は、ぼたん鱧です。骨きりした天然の鱧は、本当にぼたんの花のように、くるりときれいに仕上ります。暑い季節には長い姿の魚が美味しくなります。鰻や太刀魚も夏がいいですね。

2012年6月塚口茶事

焼き物は、揚げ物に変えることもあります。今回は、加茂茄子をこんがり揚げて、少し濃い目の味付け出汁をかけ、大根卸と花鰹をたっぷり。
強肴は、これまでに使ったあまり物をうまく活用して、もう一品おもてなしします。本来の懐石は焼き物で終わるところを、あえて進める肴なので、強肴と呼びます。今回は鱧の子の卵とじに三度豆を散らしました。
亭主相伴の間に水屋コールの皆さんにも懐石のフルコースを召し上がっていただきます。ちょっと慌しいですが、気兼ねなく食べられるので、水屋が好きとおっしゃるかたも。
席中では、小吸い物、八寸(子鮎の甘露煮 雷瓜)で千鳥の杯。本日のお酒は長野県上田市の「滝澤」です。

2012年6月茶事塾

香の物、湯斗が出て、ホッコリとお腹を整えていただきました。

風炉の間は下火3炭で、ここまで持たせますから、いつも、火が残っているか心配ですが、初炭手前と進みます。

2012年6月塚口茶事

炭斗は、骨董屋さんで見つけた時代の籠に私が中に紙を張って炭斗に仕立てたもの。香合は小船です。
「何故舟なのですか?」とお客様に聞かれましたが、それは後のお楽しみ・・・。

主菓子は、私のオリジナルの「雨音」という冷たいお菓子です。

2012年6月塚口茶事

中立では、席中を改めます。半東さんの気転で、もし火がつかなかったときのためにと、炭をコンロにかけておいてくださいました。こんな気遣いがうれしいですね。
水屋コースの方も後座からは席入りして一緒に茶事の勉強をしていただきますので、お菓子を召し上がって、席入りの準備です。
亭主役の方は、通常のお茶の稽古ではなかなか体験できない初座が無事終わって、ほっと一息。でもでも、これからが本番なのです。気合入れなおして、心を込めて銅鑼を打ちます。足袋を履き替えて、心寂かに、席入りを待ちます。
床には、濡れ地蔵という銘のある、信楽の花入れに紫陽花を一輪。たっぷりと前日から水を含ませていた信楽の花器は、雨の中、道端でちょっと小首をかしげて佇んでいる愛らしいお地蔵さんにみえませんか? 私の陶芸の師、武田 浪の作です。

2012年6月塚口茶事

濃茶はピンと張り詰めた空気の中で、凛として練り上げていただきたい。
勉強会ではありますが、正客が一口いただいて、たいへん結構でございますといっていただくまでは、緊張の糸を切らさないように。

2012年6月塚口茶事

茶入は、少し時代のある大降りの瀬戸の肩付。これは、ずいぶん昔に求めていたものですが、今回初使い。新しく求めた水指にあうものをと、探しまくってようやく、引越しのダンボール箱の中から見つけました。
今回の道具組みの中心になったのが、峯風庵のある富田林市じないまちにある、陶工房飛鳥の阪本光枝さんの水指です。磁器ですが、土物と同じように轆轤の目を生かして力強く作られています。暑さが気になりだす、この時期には少し大きめの水指が、水をたっぷりたたえている感じがして、お客様へのおもてなしになります。潔い作りと磁気の硬質な感じが、木地の涼しげな溜精棚ともよく似合って、さわやかです。通常は大きなものには小さなもの、りりしいものには優しいものと、違ったイメージのものをあわせてゆくのが和の美意識ではありますが、今回は、梅雨時のうっとうしさを吹き飛ばす、凛としたさわやかさを強調したくて。水指と茶入、そして棚に飾ったプラチナ箔の棗の取り合わせが、今日の私の魅せどころでした。笑。

2012年6月塚口茶事



余談ですが、この水指は水指として作られたものではなく、いわゆる見立て使いです。武田浪先生も、茶道具と言うだけでとんでもなく高額をつける傾向があるので「私は、茶道具は一切作らない」とおっしゃっていましたが、私は、いろいろ勝手に茶道具にしてしまっています。笑。
濃茶の茶碗は、李朝の御本茶碗で、雨漏り手というものです。ざっくりしたつくりに厚く白の釉薬がかかっていますが、釉薬のヒビの部分から雨がもれてしみになったように見えるのが景色です。茶人は、おもしろいもの珍重するものですが、雨の季節にはピッタリかと。
茶杓は時代の金継を施したもので、銘は「いなずま」。
後炭を終えて、薄茶に。亭主の顔にも少し安堵の表情が浮かんできます。

2012年6月茶事塾



莨盆には、雷さんの文様の火入れをセットしました。
干菓子は、手作りの葉っぱの雲平と蝸の洲浜です。盛り付けは相変わらず、私流に遊んでいます。

2012年6月茶事塾


2日とも、亭主さんはなれないので大丈夫かなと不安に思われていたようですが、半東さんに助けられながら、よくがんばりました。「よく出来ました」のはんこを背中んおポンと押してあげたいくらいです。
二人の亭主さんからは「亭主をさせていただくことで、半東さん、水屋さん、そしてお客さまのありがたさを改めて感じることができました。」「午前中は、どうなる事かと思いましたが、先生の「亭主と水屋スタッフとの協力のもとに成り立つ」というそのお言葉のお陰で,午後からは、少し悟る事ができ、梅雨時には、梅雨時だけの愉しみ方がある事など、お庭・伏傘懐石・床の紫陽花が雨に濡れていっそう彩りが深まり、どんどんイマジネーションが広がり
一心にお点前することができました。」(抜粋)というメールをいただいて、茶事の
魅力をしっかり自分のものにしていただいたことがとてもうれしかったです。

お客様も、勉強会ではありますが、本番の茶事のようにお楽しみいただけたようで、よかったね。

2012年6月塚口茶事

7月は、ご近所の酒蔵からオーナーさんが汲んできてくださるお酒の仕込み水で、名水点朝茶事の勉強会です。朝茶事は日が高く昇って暑さが厳しくなる前に終えるのがお約束ですが、5時6時の早朝お出ましいただくのがたいへんなので、いつもと同じ時間に開催します。9時や10時にはじめての同じことですので。でも、朝茶事の準備や楽しみ方のポイントはお伝えしますので、お楽しみに。暑い時期こそ、お茶でしゃっきりしたいものですね。
開催日は7月22日(日)と23日(月)です。

真庵の入り口です。わかりやすいように暖簾をかけています。
2012年5月塚口真庵


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