茶と禅

2012年09月13日 17:50

9月8日9日と、人間禅が主催する茶禅一味の会で、呈茶及び修業をさせていただきました。
たくさんの学びと気付きがあり、開催してくださった人間禅の皆さまに感謝。
人間禅の皆さま、お一人お一人の清々しさ、細部に渡った細やかなお心遣いに、感銘を受けました。
なかなか、ハードな2日間で、ちょっと体が悲鳴を上げています。笑。

2日間のプログラムを通して、お茶に関して感じたことは、茶禅一味の会であるなら、茶禅一味のお茶をしてゆかなければ意味はないのではということ。
禅初体験や初心者の私たちに手取り足取り、熱心にご指導くださったように、茶禅一味のお茶についても、少しレクチャーが必要かと思いました。
いわゆる巷の大寄せの茶会と同じような、悪しき慣習をそのまま持ち込むのなら、決して茶禅一味にはならないでしょう。

8日にご講演の京都大.学心茶会会長の倉澤先生のご講演の内容には、何度も何度も大きくうなずいてしまいました。禅の実践の場が茶道であるという位置づけは、私もそうであってほしいとずっと願ってきたことでした。

遊興や趣味の稽古ごと、高価な道具や着物を競うセレブごっこに成り果ててしまった現代の多くの茶の世界に嫌気がさして、お茶をやめてしまわれる人も多い(私も何度か止めようと思っことがありましたが、なぜかその度に引き戻されてしまいました)のですが、禅という切り口(既に私のお茶はその道を知らず知らずに歩んでいました)できちんと提唱できれば、お茶の世界で道に迷った人たちの「指月」の指になれるのではないかと、おこがましいことですが、少し勇気と元気も出てきました。

静座では、足が組めない、永く座っていられない、すぐに集中が切れて数字が数えなれなくなるなど、落ちこぼれ。でも、夜、寝ようとすると額のところに紫の光が一杯に沸いてきて、ちょっとチャクラが開いたようです。 
参禅は始めての経験でしたが、それは違うと全否定されたり、ちょっとしたヒントをいただけたり。普段の日常生活では最近大人が子供を叱らなくなって、叱られたことがなく大人になってしまっている人が多いですし、何かのアドバイスをするというのも余計なことかと控える傾向があります。私は、怒るのではなく叱らなければならないところでは叱ります。叱られた人は多くは私の前から去って行きますが、いつか、何年後か何十年後かにわかるときがあればそれでいいと思っています。私は弟子を取りませんが、今、私のお茶に御付き合いしていただいている若い人たちはほとんど、生まれてはじめて私に叱られましたという人が多いのです。叱るのは、ものすごいエネルギーと優しさが要ります。
あっ、話が脱線しましたが、この参禅は、今の社会が求めているものではないかと、ふと思いました。

修行の場ですので、写真はひかえさせていただきましたが、お許しをいただいて、参加した人に貸し与えられた四つの食器を包んで置いておくところを一枚パチリさせていただきました。 典座がおつくりいただいた食事、美味しくいただきました。
これだけで、簡素にして清浄な修行の場のイメージをお伝えできると思ったからです。

2012年9月

茶事をしている人なら、それほど驚かれなかったと思いますが、最後にお茶をいただいて残しておいた沢庵一切れで器をきれいにして、全て飲み干すのはかなりのカルチャーショックかと。でも、楽しかったですよ。
行方不明になっていた私の以前のブログがでてきました。そこに道元禅師と老典座のお話を書いていましたので、よろしかったら、クリックしてご覧ください。 
ブログ庵主ワールド・茶事・茶会つれづれ
http://blog.goo.ne.jp/hope-an/e/ec287c4ac4de2960b6743aff00f517e3

最後になりましたが、私の今回のお茶席を少しご紹介させていただきます。

出先なので、なかなかたいへんなのではありましたが、いつものように、灰型を作り、敷き香をして、炭をいれました。炭の還元作用と波動を起こす作用で茶室に心地よい場が出来上がります。釜の湯にも波動は伝わり、煮えのついた釜から気持ちのよい湯気が上がります。待香を入れて、お客様をお迎えする清浄な空間が出来上がり、お客様を静かにお待ちします。

床には、人間禅の創始者 耕雲庵英山老大師の墨蹟「和気満堂」を。
花は、この日のために山からいただいてきた、細ススキやシオン、しゅうめい菊などひそやかなで可憐な花を時代の虫籠を花入に見たて入れました。花は亭主が自らが必ず入れます。床の花は人間性や人格をそのまま映し出してしまうものです。横に飾った香合には、こおろぎの蒔絵。虫籠から逃げ出した虫の姿に何を感じますか。私は、ちょっと心の琴線が小さな音を奏でました。

私が40歳でお茶と再開したとき、師匠に言われた言葉が「小さな茶室に、大きな禅寺の七堂伽藍が総て入るような大きなお茶をしなさい。」でした。
まさに、求めるお軸をお貸しいただけて、この言葉を皆さまにもご紹介できました。
私も常々、お茶と禅はニアリーイーコールということをお話していますが、同じところ、少し違うところなど、折々のお話に組み込ませていただきました。
宇宙観に基づき創造されたお茶は、その偉大な力や思想が道具や所作などに潜んでいます。

まずはじめにご紹介したのは、柄杓と北斗七星のお話でした。道に迷ったとき、夜空に柄杓の形の北斗七星を見つけます。柄杓の合の部分をそのまま5倍延ばしてゆくと北極星が見つかります。北がわかると自分の立ち位置がわかり、進むべき方向もわかります。お茶って、一言でいうとこういうことなのです。

お茶は待合から茶室に入り、茶会が進み退出するまで、全て、亭主がその日のために心入れしてご用意したもの(これがお茶でいうところの行です)です。私は、いつもそのときできる精一杯を誠心誠意と思っていますので、このお茶会が無事済んだらこのまま死んでも何の悔いもないのです。
お茶は遊興でも趣味でもなく、生き方ですので、私のこれまでの全人生を背負って(そのために茶人は茶室では色無地一つ紋の着物を着ます)、点前座に座り、私の人生の中でご縁があった私の分身の一つ一つの道具とともに、一人一人にお茶を点じて、おもてなしをします。
道具はモノですが、そのモノが多くのことをお客さまに語りかけています。
出来れば一つ一つ、そして、オーケストラのシンフォニーのように全体で奏でるその日の道具組みで作り上げられた世界を感じ取っていただけたら幸いです。

裏千家は離れましたが、裏千家のお席ということでしたので、なるべく裏千家らしいお道具をと、棚は、裏千家今日庵の茶室溜精軒の下地窓に使われている、とれた柄杓の柄を再利用して作られた(リサイクルです)溜精棚を、棗には圓應斉が好まれた宇宙の9つの星をあらわす亀蔵棗を使いました。

水指は、ご懇意にしていただきましたが今は亡き信楽の作家、古谷道生さんの伊賀の桃山写しの破れ袋。この水指はどんな道具を隣や前においても、その道具を素晴らしく生かしてくれます。お茶の道具は一つではお茶は出来ません。それぞれの道具がそれぞれの役割をしっかり担ってはじめてお茶になり、互いに生かし合える道具が素晴らしいと思っています。茶碗は、赤膚の奈良絵茶碗(お釈迦様の生涯を描いた過去現在絵因果経の絵が描かれています)、色絵南蛮人(お茶を集大成した堺の千利休とキリスト教の関係性)、中国の明の時代の染付花文様、韓国李朝の300年ほど前の御本茶碗。茶杓の銘は「幸」でした。

お菓子は、堺に注文した「利休古印」(納屋判と竹判)そして、私の峯風庵(英語でホープと発音していただけると希望です。明日への希望となるようなお茶をしてゆきたいと願っています)があります、大阪府で唯一の重要歴史的建造物群保存地区の室町後期に作られた宗教自治都市「じないまち」の現存する江戸時代の建築を焼印で紹介した「じないまちせんべい」お持ちしました。ちょうど、じないまちが出来た頃に堺で利休さんがお茶を集大成しておられます。

お茶席では、主客の心の交流がなされ、主客で一期一会の世界を作り出してゆきますので、はじめてお目にかかった方々とも、コミュニケーションを図ることができたらと
このような、お席をつくらせていただきました。

私はこれからも、利休の頃のダイナミックで創造的なお茶の姿を取り戻していけるよう、また、お茶の道をテクテク歩んでゆこうと思います。そして、西欧や中国、韓国などかつていろいろな文化を学ばせていただきながら、茶道という人間形成の文化、LOHASという持続可能な社会をつなぐという生き方を、今度は世界に向けて発信し、お返ししてゆくことが出来たらと、大きな夢を持っています。

茶会が終わって、皆さんが退出されてから私も記録の写真をとっておこうと思ったのですが、予定外のお客様が乱入されて、次の流派のお茶席の準備もあるので、大慌てで点てだしまがいのお茶を差し上げましたが、本意でないお茶を差し上げなければいけない状況は、いやなものですね。そんなわけで茶室の写真はありません。どうぞ、私
が創造したお茶を世界を、この文面から想像して、お茶力を鍛えてくださいませ。笑。

さあ、次は、私の一番の大事な使命、塚口真庵での茶事塾が待っています。やはり、お茶は茶事をしないとその真髄が見えてこないので、一人でも多くの方にお伝えしてゆきたいと願っています。気合を入れなおして、車一台分の荷造り開始です。

http://www.wa-no-kokoro.jp/
<和の心>茶道・茶事・茶人の世界ホームページ
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