9月の峯風庵茶事塾in塚口真庵レポ

2012年10月16日 19:08

峯風庵茶事塾in塚口真庵
9月は夕去りの茶事の勉強会でした。
夕方が去ってゆく時間に開催する茶事という意味だそうです。
お席入りは季節によっても違ってきますが、今回は午後4時20分の席入りで開催させていただきました。
夕去りの茶事は、初座が陽で、床には花。
9月茶事塾


まだ明るい間に、ご挨拶の後、初炭手前、そして懐石となります。風炉でも、まだ夕食の時間には早いので、炭が先になります。
次第に暮れてゆく茶室の外の世界が、葦の戸を通して感じられ、心のありかがわかります。
床には、時代の虫籠に、少し淋しげな風情で秋の花を。炭手前で使った香合拝見で、あっと言う声があがります。こおろぎの蒔絵が描かれ亭増す。床の虫籠から、まるで逃げ出してきたようで、清少納言のように「いとおかし」とでも表現したい気分に。
9月茶事塾

炭手前があっても、まだ夕食には時間が早いので、夕去りの茶事の懐石は、少し軽めにご用意します。秋の味覚のいろいろは、水屋コース参加者の皆さんの手づくりです。懐石料理と主菓子づくりのあとは、水屋コースでは、亭主役、半東役、台所方に分かれて、もてなす側の勉強を本番の茶事さながらにご体験いただきます。

9月茶事塾

9月茶事塾

中立の頃には、日も暮れて、露地には、灯りを用意します。その美しさ、すっかり魅せられて、記録写真も撮り忘れてしまいました。
やはり、茶事は写真では伝わりません。実際にご体験いただくのが一番でしょう。

鐘鉦の音で、後座が整ったことをお知らせして、後座の席入り。
後座は陰になり、床には、軸と手蜀が。点前座には短檠の灯りがともっています。
蝋燭の灯りの中で、心がしんと鎮まり、濃茶の練りあがるのを待つ時間のなんと荘厳なこと。体中が清々しく、洗われてゆくようです。

9月茶事塾

濃茶からは水屋コースもいっしょに席入りして、お茶をお相伴します。お菓子は水屋コースで実習した練りきりの着せ綿です。
9月茶事塾



これは勉強会ゆえのことで、本番の茶事では水屋のものは裏方に徹することで、大きな学びがあります。
一つでも、何かでも、茶事塾の学びの成果としてお持ち帰りいただきたいと、後座では、そのときどきに、いろいろなお話をさせていただいていますので、ご一緒にということにしています。
できるだけ多くの方々に、私が師から伝えられ、また自身で体得したお茶の真髄をお話しておきたいと思っています。
今回は、ご参加いただきました方々から素晴らしい感想のメールをいただいています。
茶事の準備・開催は体力・気力ともに消耗しますが、こんなメールをいただくと、本当にうれしくて元気になります。みなさん、いろいろな気づきがあって、私もなるほどと。ちょっとだけ、どなたからというのは内緒で、紹介させていただきたくなりました。いずれも茶事初心者の方です。

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「お客として、参加してみて、
お待ち合いから、露地、お席に至るまで、一つのストーリのようなお道具組が楽しくて、
謎解きのようにちりばめられたキーワードが、お席が進むにつれて、ひとつひとつ明らかになっていく妙に
引き込まれていきました。 厳粛な中にも、ウィットがあって、先生のお人柄が偲ばれました。
そして、日が落ちて、暗闇がお茶室を包む時、滋賀の佐川美術館を思い出していました。

当代の楽茶碗が、まるで宝石か、水槽の熱帯魚のように展示されていて、
その時は、現代アート畑の当代ならではの斬新な展示方法という印象だったんですが、

この度、蜀台の灯りに照らされて、濡れたように光る黒楽のお茶碗を見ていると、
明るさに慣れ切ってしまった現代に斬新な展示は、古きを訪ねた結果かもしれません。」

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私も今回、黒楽では蝋燭の灯りでは点てにくいかと思ったのですが、蝋燭に照らされた黒楽も見てみたいなあと思っていましたので、このように感じていただいて、本当にうれしいです。

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「中立ちの時の露地は、あまりにも素敵で忘れられません。
みるみる深まっていく秋の宵、その儚いひとときの
最も美しい風景を見せていただいて、とても幸せでした。

時の移ろいゆくのをじっくりと味わうことができたのも
席入りの時刻から計算しつくされた
先生のお心尽くしのおもてなしのおかげと感謝しています。

お勉強させていただくこともたくさんありましたが
本当のお茶事に招いていただいた気持ちで
昨日は心からゆったりと楽しませていただきました。

そして蝋燭の灯りのおかげでしょうか、
主客の心がいつにもまして寄り添い、ひとつになり、
一期一会の喜びを深く感じられたように思います。」

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はじめての夕去りの茶事でこれだけのことを感じてくださって、本当にうれしいです。

茶事の勉強会の後のメールは決まりではありませんが、自主的に書いてくださる方が数名いらっしゃいます。
本番の茶事では、礼状は必須ですから、礼状のお勉強にしていただいてもいいかなと思っています、必ずお返事は差し上げています。

月曜日は夜お出ましにくい方々のために、いつもと同じ時間に電気を消して、露地も玄関内に作って、蝋燭の灯りをお楽しみいただきました。

次回は10月28日(日)29日(月)侘びの世界「名残・正午の茶事」の勉強会です。
11月は開炉・正午の茶事です。四畳半茶室の炉の風情は、格別です。日程は11月25日(日)26日(月)。いずれも参加者募集中です。


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