茶禅一味の会 死と侘び

2014年02月14日 14:14


2月11日に開催させていただきました、禅と茶のコラボレーション、茶禅一味の会、とても心が満たされて、余韻に浸っています。
人間禅の皆様は、お坊さんにはならず、在家にあって禅の修行を続けていらっしゃる方々です。科学者や商社マン、大学の先生など。お仕事と禅の修行を平衡して行うところが素晴らしいと私はおもいました。

当日は、初めて座禅をする参加者にもわかりやすく、禅の説明をしていただきました。
午前中の座禅では、お茶席のことが気がかりで、なかなか集中ができませんでしたが、禅の食事では、今回も心に響くことがたくさんありました。食するということはすなわち生きること、感謝の気持ちがふつふつをわいてきます。
禅の世界では、ただ座るだけではなく作務や食事も大切な修行とのこと。

30人分の食事を3名の典座の方がご用意くださいました。とてもとても美味しくいただきました。給仕の方法がめづらしくて。ごはん茶碗や汁椀は、底のほうを持って給仕の方に渡します。禅堂の真ん中に大きな炊飯器と大きな汁の鍋を据えて典座が座り、よそってくれます。自分のごはんや汁が来るまでは合掌して待ちます。お漬物とおかずは大皿で回ってきますので、各自とりわけます。沢庵一切れ残して配ってくださるお茶ですべての器をきれいに洗って、お茶は飲み干します。添えられたきれいな布巾で器を拭いて、もとのように白い布で包みます。今回は昼食だけでしたが、泊りがけの修行の時には、ずっとこの器で食事をいただきます。
ごはんの前には食前の文を唱えます。食後には食畢の喝を唱えます。
茶懐石料理にも、この禅の食礼が残っていて、華美なご馳走になっている茶懐石を、改めて考えてみたいと思いました。

お茶席は薄茶だけのお席ですが、この禅の食事のおかげで、茶事に近い気持ちで、亭主を務めることができました。
お茶が苦手の人間禅の方も、きっと我慢してお茶席に付き合ってくださったのだと思いますが、茶席が終わった後には、みなさんお顔が晴れやかになって、帰りの玄関先で、おひとりおひとり、お茶っていいですね、お茶って今まで思っていたのとはちょっと違うことがわかりました・・・などなど。
お茶が初めての方がいらっしゃると、少しでもお茶のことをお伝えしたくて、たくさんお話をしてしまい、お茶をされておられる方には少しうるさい席になったかと思います。申し訳ないないです。

お茶席は、寒い寒い2月11日の一期一会に、利休の侘びの心を見る、真っ白な雪の世界と雪間の草をイメージしていただける世界を作り出したつもりです。床の軸は「紅炉一点雪」利休も修行をした堺の南宋寺官長の碩応和尚の御筆です。
「死」に対する禅の答えでもあるといわれている碧巌録の語。
思いがけず、会の初めのご挨拶で関西人間禅の代表を勤められている真応老居士から「死ぬ」ということは正念の心で生きることというお話があり、共時性を感じました。あるべくしてできた、この日の茶禅一味の会。
私はお茶の求める真善美のお話を踏まえ、この紅炉一点の雪の光景をイメージするとなんと美しいのでしょうという話をしました。お茶が禅と出会ったときに、真・善という精神の軸、行動の規範を得た茶道は、それに加えて美という感性の素晴らしさ、芸術という豊かさをも包含しています。利休の見つけた侘びの美の世界をも、お伝えしたかったのです。

相変わらず茶席の写真は撮り忘れていますが、主菓子はじないまちの近くのきねやさんの「梅が香」干菓子は人間禅所有の、ステンドグラスのおに盛りました。氷のイメージもあるので使わせていただきました。一つは「茶」、もう一つには「禅」の文字。この文字がなるべく見えるよう、手作りの雪笹、ひなびた味わいのお煎餅を盛りました。

月庵老居子のご講演「禅と茶の心」でお話いただいたように、喫茶去、茶三昧の行いのお茶を実は自身では求めているのですが、今はほっておけばすたれてしまいそうなお茶の啓蒙活動が、私に課せられた責務かなあとも思っています。早く本来の自分のお茶ができる日が来ればいいのですが。
とてもとても書き足りない、密度の濃い一日でした。
こんな機会を作ってくださった人間禅の皆様、そして、寒い日にあちこちからご参集いただきました皆様に心より感謝いたします。

何処に行かなくてもよい、何もしなくてもよい、今ここ、幸せ

長くイギリスやベトナムでお仕事をされてこられた月庵老居士のご講演の最後にご紹介いただいた、ベトナムの禅僧ティック・ナット・ハンの言葉に目頭が熱くなりました。皆様にも、この言葉を贈ります。


関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://wa202020.blog64.fc2.com/tb.php/97-b543c3e1
    この記事へのトラックバック


    最新記事